A167
法律は乱用されたか−世論をミスリードし続ける朝日新聞の大罪−

 6月21日の朝日新聞は、「(集団的自衛権)自民、突然外した制約 『集団安保でも武力』協議混迷」と言う見出しで、次のように報じていました。
-----------------------------------------------------------------------------------
(集団的自衛権)自民、突然外した制約 「集団安保でも武力」協議混迷
2014年6月21日05時00分

(前略)

 ■地理的制限めぐり攻防

 政府・自民党と公明党が中東ペルシャ湾での機雷除去をめぐって激しくせめぎ合うのは、自衛隊が海外で武力を使うことができる範囲をめぐる攻防がある。
 政府・自民は、ときの政権が、国際情勢に応じて判断できる余地を大きくするため、できるだけ地理的な制限をかけたくない。日本が集団的自衛権を使うときは、遠い土地でも行くことができる、という考えを、世論や公明に納得させたい。その象徴が中東での機雷除去だ。
 安倍晋三首相が、日本へのエネルギー供給を守るためとして、ホルムズ海峡での機雷除去の必要性を繰り返し説くのもそのためだ。
 一方の公明は、仮に集団的自衛権の行使を認めるとしても、できる限り「歯止め」を勝ち取りたい。
 公明は「平和の党」を自任してきた。政府・自民に押し切られっぱなしでは支持母体の創価学会や支持者に顔向けできない。
 支持者には、行使そのものに反対する人も多い。公明は、朝鮮半島での有事(戦争)など、海外での武力の行使を日本周辺に限れば「日本の安全保障に直結する範囲だけ認めた」として、なんとか支持者らに説明できるのではないか、との思いがある。
 (蔵前勝久)

 ■「おそれ」の文言、公明なお難色 閣議決定原案提示

 政府・自民党は20日の与党協議で、集団的自衛権を使えるようにする憲法解釈の変更を盛り込んだ閣議決定の原案を示した。しかし、自民側が集団安全保障での武力行使についても解釈変更を前提に認めるよう求めたことに加え、集団的自衛権をめぐっても政府・自民側と公明党との隔たりはなお大きい。

 原案では、集団的自衛権を使って武力を使う要件について「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」を挙げた。

 
公明からはこの日も「これでは歯止めにならない」との声が出た。公明は集団的自衛権の行使を認める場合でも、朝鮮半島有事(戦争)の対応など日本周辺の狭い範囲に限りたい考えだ。今の文言では、自衛隊の活動範囲が際限なく広がるとの懸念が強い。

(以下略)

-----------------------------------------------------------------------------------------------

 朝日新聞は、反対の理由として自衛隊の活動が
際限なく広がる懸念があることをあげていますが、これは朝日新聞などが、自民党などが提案する法案に反対するときの決まり文句です。今回の自衛隊の問題に限りません。今、思いつくだけでも下記の事例があります。

自衛隊の海外派遣と武器携行
 1994年自衛隊が、ルワンダに難民救済のために派遣されたときは、自衛隊が機関銃を2丁携行することに対して、任務の範囲を超えているとして、国会で激しい反対に遭い、激論の末、間を取って1丁を携行することになりました。
 その後2011年12月に自衛隊が、PKO活動として南スーダンに派遣されたときは小銃297丁の他に、機関銃5丁を携行しましたが、何の議論も起きませんでした。

通信傍受法
 1999年に成立した通信傍受法について、朝日新聞は5月29日の社説で、「捜査機関による傍受を認める以上は、一般市民のプライバシーまで侵されることのないよう、できるかぎりの防止措置と運用の保証がなければならないが、『それが果たされたとは到底思えない』」と言って反対しました。
 しかし、現在捜査機関による通信傍受は、年間10件程度で、一般市民のプライバシー侵害云々は見当違いの批判であったことは明らかです。

暴対法
 平成3年に成立した暴対法には、マスコミ、弁護士らから憲法が保証する国民の結社の自由を侵害すると反対されましたが、その後そのような問題事例が発生したことが報じられたことがありません。暴対法は、暴力団排除に大きな効果がありました。

軽犯罪法
 1948年に成立した、軽犯罪法に対しては、乱用によって人権が侵害される恐れがあるとして、強い反対意見がありました。その後65年経過しましたが、この法律は有効に機能しており、廃止すべきだという意見も聞かれません。

 朝日新聞などの主張は、
後日になって検証すればその大半が誤りで有り、世論をミスリードし続ける罪は非常に重いと思います。

平成26年6月25日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ