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タブレットの普及による新聞のデジタル化が、宅配紙新聞にとどめを刺すことを期待

 8月23日の朝日新聞は、「(耕論)タブレットは授業を変える? 佐藤里美さん、坪田耕三さん、柳沢幸雄さん」と言う見出しで、次のように報じていました。
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(耕論)タブレットは授業を変える? 佐藤里美さん、坪田耕三さん、柳沢幸雄さん
2014年8月23日05時00分(朝日新聞)

 全国の小学校や中学校で、タブレット端末を導入する動きが進んでいます。それは授業を変える魔法の道具なのか、弊害はないのか――。夏休み明けの授業再開の季節に考えました。

 ■1人1台時代、多様な学び 佐藤里美さん(「エデュアス」担当部長)

 2020年までに子ども1人に1台のタブレット端末を無償配布して授業に活用する――。民主党政権が掲げたこの目標を自民党政権は「10年代に1人1台を実現する」と言い始めました。小中学校に前倒しで導入する波がきていて、各地の教育委員会から相談が絶えません。

 私たちは今春、佐賀県武雄市の全小学校に、児童全員分のタブレットを納入しました。納入に先立って研究や環境構築も請け負い、現地に担当を出して運営もしています。東京都荒川区では9月から、すべての小中学校に1人1台入るそうです。

 急速な動きの背景には1990年代から学校に置かれた子ども用パソコンの更新問題もあります。ウィンドウズXPの終了で更新の流れが一気に来ました。それに学校パソコンは1台20万円以上のクラスが多いですが、武雄市が入れたアンドロイド端末は1台2万円足らず。パソコン1台がタブレット10台以上に変わる。こうした背景の中、ICT(情報通信技術)業界が決して小さくない学校市場に攻勢をかけているのです。

 タブレットの強みは持ち運べることです。これまでのようにクラス全員でパソコン教室へ移動しなくても、好きな授業の時に教室でさっと出して使える。家庭にも持ち帰れます。

 使い方も多様です。子どもにとっては、授業だけではわからなかった漢字や計算問題を自宅で反復学習するツールになります。みんなの前では発言できなかった疑問も、タブレットを通じて1対1で先生に問うことができる。読み書きの苦手な子にとっては、文字を拡大したり、筆順を動画で見たり、鉛筆を使わず書けるツールになります。

 先生は、画面上で子どもに問題を解かせ全員の画面を自身のタブレットに同時に表示すれば、教室を巡回しなくても個々の状況を把握できます。武雄市では毎回の授業後、理解の度合いを子どもたちに画面上で答えさせ、集約して理解度を測っています。動画教材を配信することもできます。「反転授業」として「この動画を授業の前に家で見てくるように」と言えば、これまでより授業時間を捻出しやすくすることも可能です。

 ただ残念なことに、教育目的の見えない導入も増えています。思考力や創造力を伸ばすためにどんな授業をめざし、だからどう使いたいのか。そんなシナリオがあってこそ私たちも最適な道具や環境を設計できる。

 やがてタブレットは眼鏡型、腕時計型に変わり、身につけて音声操作する物になるでしょう。
わかりやすい授業の動画や教材は大量に出回り、子どもはどこでも自分に合った学びを得られるようになる。その時「リアルな授業」をどう位置づけ、ツールをどう生かすか。教育界だけでなく業界にとっても大きな課題です。

 (聞き手・宮坂麻子)
    *
 さとうさとみ 60年生まれ。NECからソフトバンクに転職。同社の関連教育会社「エデュアス」で、12年から現職。障害児のモバイル活用「魔法のプロジェクト」も手がける。
(以下略)
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 記事の通り、タブレットは今後大きな可能性を秘めていると思います。人類長年の「紙」文明を過去のものとするかもしれません。
 その時は、当然「宅配紙(かみ)新聞」も過去のものとなり、1家に1台、あるいは一人に1台大型タブレットが普及して、新聞・雑誌の大半と、書籍の一部は消え去ることと思います。
 特に、
雨の日も風の日も、毎日バイクに乗った新聞おばさん、新聞おじさんが1軒1軒配って歩く原始的宅配紙新聞は、ニュースはスピードが生命と言うことからも、真っ先に淘汰されることが期待されます。

 今、デジタル新聞は宅配紙新聞との抱き合わせ販売が主流ですが、デジタル化が進めば、やがて紙新聞は読まれないまま古紙として廃品回収に出されることが日常化して、資源の浪費であることは誰の目にも明らかになります。宅配紙新聞との抱き合わせ販売は、長くは続かないでしょう。

 新聞のデジタル化が進めば、印刷・輸送・宅配はすべて不要となり、取材と編集だけで新聞発行が可能となります、新規参入のハードルは大幅に低下します。
 また、読者は毎日複数の新聞を読み比べることが可能になり、
朝日新聞のウソは、もれなく、直ちに多くの国民が知るところとなるでしょう。学校で「わかりやすい授業の動画や教材は大量に出回る」のと同じことが、各家庭で起こり、「わかりやすい解説記事が大量に出回る」ことになるでしょう。これこそが真の言論の自由です。

平成26年8月23日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ