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トランプ候補の選挙の自由・集会の自由を侵害する抗議・妨害活動 −抗議集会をしたければ、別の場所ですべき−
 

 3月13日のNHKのテレビニュースは、「トランプ氏の集会中止 批判する人と支持者の対立で」と言うタイトルで、次のように報じていました。
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NHK ニュース詳細
3月12日 12時01分

トランプ氏の集会中止 批判する人と支持者の対立で

 アメリカ大統領選挙に共和党から立候補している
トランプ氏の集会が、11日にシカゴで行われる予定でしたが、トランプ氏を批判する人たちと支持者たちが激しく対立し、会場が混乱したため、急きょ中止されました。

 野党・共和党の候補者選びでトップを走る不動産王のトランプ氏の集会は、現地時間の11日午後6時(日本時間の12日午前9時)から、中西部イリノイ州のシカゴで行われる予定でした。
 しかし、移民政策を巡るトランプ氏の発言が
差別だなどと批判する若者らが、集会を前に会場に詰めかけて抗議の声を上げ、反発した支持者との間でもみ合いとなりました。会場は怒号が飛び交って混乱し、トランプ氏と警察が協議した結果、参加者の安全を確保するのが難しくなったとして、急きょ集会は中止されました。

 
トランプ氏の集会では、参加者が抗議の声を上げ集会を妨害したとして退場を命じられるケースが相次いでいます。今月9日に南部ノースカロライナ州で行われた集会では、抗議活動を行った黒人の男性がトランプ氏を支持する白人男性に殴られ、このときの映像がアメリカのテレビで繰り返し放送されたことなどから、今回の集会の安全を懸念する声が上がっていました。

トランプ氏の集会 険悪化に懸念も

 トランプ氏はこれまで、「メキシコから国境を越えて犯罪が流入しているのは事実だ。国境に壁を築かなければならない」と発言したり、アメリカへのイスラム教徒の入国を全面的に禁止すべきだとする声明を発表したりして、物議をかもしてきました。

 反発した人たちがトランプ氏の集会で
抗議の声を上げ、会場から退場させられることもたびたび起きていて、その際にトランプ氏が「つまみ出せ」とか「顔を殴ってやりたい」などと発言したことも批判されています。

 
今月9日には、南部ノースカロライナ州で行われた集会で、抗議活動を行った黒人の男性が警察官に付き添われて会場から退場する際、トランプ氏を支持する白人の男性から顔を殴られる出来事があり、トランプ氏の集会は険悪な雰囲気になってきていると懸念されています。

 シカゴで予定されていた集会が、トランプ氏を批判する人たちと支持者たちとの対立で中止されたあと、報道各社の取材に応じたトランプ氏は、自身の過激な言動について「後悔していない」と述べたうえで、「これまで大きな問題はなかった。抗議活動を行っていたのは乱暴な悪い連中だ」と釈明しました。

 アメリカ大統領選挙に向けた候補者選びは、今月15日、大票田の南部フロリダ州など5つの州で予備選挙が行われ、「ミニ・スーパーチューズデー」とも呼ばれる次のヤマ場を迎えますが、今回の出来事が選挙戦に
どう影響するか、注目されます
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 トランプ候補を批判をするのは自由です。しかし、彼は
言論の自由が保障された社会で、合法的にその自由を行使していることを忘れてはなりません。それに対する反対行動、抗議行動をするのは勝手ですが、他人の言論の自由、集会の自由を妨害することは許されません。その手段には自ずから制約があります。抗議活動をしたければ、別の場所ですべきです。

 
他人の集会の会場に行って、求められても、許されてもいないのに勝手に抗議の発言をし、集会の円滑な進行を妨げるのは、明白な他人の権利の侵害です。

 彼等がしていることは
在日韓国人とその支持者の行動パターンと酷似しています。在特会の人たちが公安委員会の許可を得て、在日韓国・朝鮮人を批判・非難する街頭行進活動をしている時に、“カウンター”と呼ばれる人たちが、同じ場所同じ時間に在特会に対抗して抗議(妨害)活動をすることは、他人の正当な権利の行使を侵害するもので、正当な権利の行使には当たりません。

 NHKは
抗議活動”と報じていて、「選挙運動の妨害という視点が抜けています。現場での混乱についても、「白人の暴力」とだけ報じていますが、それに至る経緯を批判していません。在特会の活動を「ヘイトスピーチ」と決めつけて報じる日本のマスコミが、それに至る経緯を全く報じないのとそっくりです。

 
選挙活動の自由は最大限保証されなければなりません。それは民主主義国家の基本です。「トランプ氏の集会は険悪な雰囲気」になってきたとありますが、その責任がどちらにあるのかを明確にしてものを言うべきだと思います。責任の所在が抗議する側にある事は明らかなのですから。

平成28年3月13日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ