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「社会主義」から「反日」へ

 8月2日に開催された「自由主義史観研究会」のシンポジウム「歴史教育・日本外交はこれでよいのか」の記事を読みました。藤岡先生はじめ多くの方がマスコミ、特に「朝日新聞」を批判しておられました。私も同感です。「従軍慰安婦」を始め多くの問題は、結局マスコミの問題に帰するのです。

 「従軍慰安婦」は秘密の存在ではありませんでした。「従軍慰安婦」が兵隊相手の売春婦であることは誰もが知っていました。彼女らのなかに不幸な境遇の人がいたとしてもそれは当時の売春婦一般のことであり、格別のことではなかったのです。当時は日本国内でも娘の身売りは、けして珍しいことではなかったのです。日本だけでなく中国、朝鮮を始めアジアの貧しい農村ではありふれたことだったのです。それを、当時のことを知る人が少なくなっていくのを待っていたかのように、また宮沢訪韓にタイミングを合わせるように従軍慰安婦の問題は日韓の懸案になってしまったのです。

 彼らは韓国人はいつまでも「反日」であってほしいのです。いや、韓国人、中国人、その他のすべてのアジア人が「反日」であってくれないと困るのです。そうしないと彼ら「反日」日本人が浮き上がってしまうからです。「自虐」という言葉が使われていますが、「自虐」という言葉は当たらないと思います。彼らが日本を批判するときは、自らを心理的に日本人の枠の外において批判しているのであって、彼ら自身は決して自虐的な人間ではありません。彼らは日本人の裏切り者なのです。

 では彼らはなぜ日本人の裏切り者になったのでしょうか。日本はアメリカとの戦争に敗れ占領されました。占領軍は周到な準備の元に大々的な「日本人洗脳作戦」を実施しました。そして、新聞をはじめとするマスコミは徹底的な検閲により、彼らの手先となって日本国民を裏切ることを余儀なくされました。もしマスコミに少しでも勇気と良心のある人がいれば、占領軍の検閲には抵抗すべきでしたが、そういうジャーナリストは残念ながら日本にはいませんでした。占領中のことはある意味でやむを得なかったと思います。しかし許せないのは占領が終わり、検閲がなくなってからも、国民に、読者に占領軍の検閲と指示の元に新聞を作り続けたたことをかくし、謝罪もせず、そればかりか占領軍なき後も彼らに代わって、日本人洗脳を続けたことです。彼らは自らの保身と、利益のためにそうすることを続けたのです。

 反日のもう一つの理由は社会主義の崩壊です。彼らは長年にわたり社会主義を賛美し、礼賛してきました。ところがソ連の崩壊により、社会主義の誤りは隠しようもないこととなり、彼らは批判の矢面に立つはずでした。彼らは失業の危機に直面したのです。そこで、彼らが予防、反撃のためにしたことが、「反日」大攻勢なのです。読者、国民からの批判を封じるための先制攻撃だったのです。外国の介入を招致してでも国民の目をそらし、批判を封じる必要があったのです。自国のあらを探し自国に不利益な主張をすることが進歩的であり、良心の証であるとして、国民を屈服させようとしたのです。この作戦は成功し、社会主義を賛美し続けた記者や大学教授は、「社会主義」から「反日」へと看板を架け替え、失業を免れました。

平成9年9月20日
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