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「レディース・アンド・ジェントルマン(ladies and gentlemen)」の適否を、英語圏の国民にではなく日本人にアピールする、JALとNHKの“見当違い” −何か裏がある日本航空とNHKの癒着−

 10月1日のNHKのテレビニュースは、
「ladies and gentlemen きょうから変わりました 日本航空」と言うタイトルで、次の様に報じていました。
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ladies and gentlemen きょうから変わりました 日本航空
2020年10月1日 13時33分 NHK





 
日本航空が機内などで英語でアナウンスをする際に使ってきたおなじみの「ladies and gentlemen」という呼びかけが、1日から性別を前提にしない表現に変わりました。

 新たに使う性別を前提にしない英語のアナウンスの表現は「Attention,all passengers」「Good morning,everyone」などです。

 これまでは英語のアナウンスのはじめに機内では必ず「ladies and gentlemen」という敬称を使ってきました。

「なぜ英語のアナウンスは男女前提なのか」
 変えるきっかけは、2年前に都内で開かれたイベントで、
参加した人から社員が「なぜ英語のアナウンスは男女が前提なのか」と聞かれ表現に違和感を感じる人がいると気付いたことでした。

 会社では
多様な人材が活躍する環境づくりを進めていて、この社員の意見1年半かけて表現を変えることになったということです。

 変わるのを前に、客室乗務員など担当者が集まって会議を開き、▽
アナウンスの変更海外にどう情報発信していくかや、▽乗客がまた乗りたいと思うサービスの在り方について議論しました。

 日本航空
人財戦略部の東原祥匡さんは「わたしたちのサービスは男性、女性であることを前提にしたものが本当にスタンダードなのかという議論が起きて、公共のアナウンスでは必要ないんじゃないかと変更することにしました」と話していました。
 羽田空港の国際線のターミナルでは、1日の午前中、フィンランドのヘルシンキ空港行きの日本航空の便の搭乗案内が行われ、地上スタッフが、乗客に搭乗時刻などを伝える際、「Good morning」と英語のアナウンスで呼びかけました。

 ヘルシンキを経由してロンドンに向かう
18歳の女性は「日本企業でもやっとLGBTQの人たちに配慮する動きが出てきています。日本航空は日本の大企業の1つなので、ほかの企業を引っ張っていってくれたらいいなと思います」と話していました。

 日本航空
人財戦略部の東原祥匡さんは「すべてのお客様に心地よく感じてもらうためには固定観念にとらわれず新しいサービスを作っていく必要があります。これをスタートに、一人一人がさらにサービスを考えていけるようにしたいです」と話していました。

 客室乗務員の女性 制服に初めてパンツ導入
日本航空はことし4月、7年ぶりに客室乗務員やパイロット、整備士などの制服のデザインを一新しました。

 それまで昭和26年の設立以来、9回制服のデザインを変更してきましたが、いずれも客室乗務員の
女性ワンピーススカートが制服となっていました。

 今の制服は東京オリンピック・パラリンピックに合わせたもので、
乗客一人一人に寄り添い多様な働き方を実現するためとして初めてパンツを導入しました。

 このほか、
性別についても多様性を考慮してマイレージ会員向けに発行されるカードの性別表記をなくしました。

 家族でマイルをためて使えるサービスについても、区役所など公的機関が発行するパートナーシップの証明書などがあれば
同性のパートナーも配偶者としてサービスを受けられるようにしました。
 日本航空「
お客様は一人一人違うというのが根底に」
 日本航空の執行役員の小田卓也人財本部長は「
お客様というのは一人一人違うというのが根底にありますので、一人一人に分化していったときに何ができるのかということの現れが今回のアナウンスに結び付いた」と話していました。

 また「当事者の方たちが
大企業にもどんどん発信してほしいと思われていると聞いてそういう役割もあると思う」と話していました。
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 全体を見て、いったい
何を言いたいのか、よくわからない記事です。
 まず、
英語の「ladies and gentlemen」と言う機内アナウンスを問題にしていますが、これに文字通りに該当(対応)する日本語アナウンスはありません。
 日本語にはない
英語(欧米語)特有のアナウンスを問題視するなら、その可否については、日本人の乗客(国民)にではなく、英語圏の乗客(国民)に意見を聞くべきで、日本国内で日本人相手にアピールするのは、かなりの見当違いというものです。
 と言うよりそもそも英語圏では、「ladies and gentlemen」の可否についても、
とっくの昔に議論がされている筈です。

 さらに「
会社では多様な人材が活躍する環境づくりを進めていて、この社員の意見で1年半かけて表現を変えることになったということです」とありますが、英語圏はおろか日本人他の乗客の意見は全く聞かずに、たった一人の社員の意見をもとに従業員の働く環境改善のために、変更が進められたようです。これでよく「すべてのお客様に心地よく」などと言えたものだと、あきれてものが言えません。

 次に「
乗客一人一人に寄り添い多様な働き方を実現するためとして初めてパンツを導入しました」とありますが、女性客室乗務員の制服を“パンツ”にする事が、乗客への寄り添い・従業員の多様な働き方とどう結びつくのでしょうか。この発言は支離滅裂で発言者の真意に疑問を感じます。
 “お客様のため”ではなく、航空会社の社員の“多様な働き方”のためというのは、どちらかというと
“本末転倒”と言うべきです。

 
“性別前提”の可否を云々するなら、人の名前はほとんどすべての国民、民族にとって男女の別が大前提となっていることをどう考えるのでしょうか。男女共通の名前とか、名前だけでは男女の別がわからないと言う名はほとんど無いと思います。
 生まれた
子供の名前を付ける父母は、男の子には男らしい(たくましそうな)名前を、女の子には女の子らしい(可愛い)名前を付けるのが多く、見たり聞いたりしただけでは男か女かわからないような名前を、我が子に付ける父母は例外に属します。

 このように考えると、すべてにおいての
“男女前提の否定”少数意見に止まると思われます。少なくともこの記事の中で、多数意見であるとの根拠は示されていないし、多数意見との主張も為されてはいません。
 それなのに、この記事を見て、
たった一人の意見がまかり通っていくプロセスに、何の疑問も感じない組織に問題はないのだろうかと思えて来ます。何かを隠しているのではないでしょうか。

  英語圏では
とっくの昔に議論がされている筈の問題を、今更のような形で取り上げ、そこから支離滅裂な議論を展開するのは、日本航空とNHKの両者が日本を代表する大企業であるだけに極めて不可解であり異常です。に何かある、他意があると感じます。

令和2年10月10日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ