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ウクライナにおけるロシアの武力による「占領(制圧)」を「掌握」と言って、ロシアに“配慮”している日本の“公共放送”NHK

 3月29日と、3月31日のNHKテレビニュースは、「ロシアとウクライナ トルコで対面形式の停戦交渉」と「マリウポリ市長 “中心部の半分がロシア軍に
占領されている”」と言うタイトルで、次の様に報じていました。
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ロシアとウクライナ トルコで対面形式の停戦交渉
2022年3月29日 18時54分  NHK

 ウクライナで双方の激しい戦闘が続く中、ロシアとウクライナによる対面形式の停戦交渉が29日、トルコのイスタンブールで行われています。
ロシアが求めるウクライナの「中立化」などで妥協点を見いだし、事態の打開につなげられるかが焦点です。

 ウクライナに軍事侵攻しているロシア軍は、29日も東部の要衝マリウポリの完全
掌握を目指すなど攻勢を強めています。

 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、首都キエフの北西に隣接するイルピンについて「私たちの軍は、キエフ周辺で前進していて、イルピンはロシア軍から解放された」とするなどウクライナ軍も反撃を続けています。

(以下略)

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マリウポリ市長 “中心部の半分がロシア軍に占領されている”
2022年3月31日 5時16分 NHK

 ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は首都キエフ周辺などでの軍事作戦を大幅に縮小するとしている一方、東部での攻勢を強めています。NHKのインタビューに応じた東部の要衝マリウポリの市長は市の中心部の半分がロシア軍に
占領されていることを明らかにし、人道危機がさらに深まることが懸念されています。

 キエフと北部のチェルニヒウ “攻撃続いている”
ウクライナへの侵攻を続けるロシアは29日のウクライナ側との停戦交渉のあと、信頼醸成のためとして首都キエフ周辺と北部のチェルニヒウでの軍事作戦を大幅に縮小することを明らかにしました。しかし30日、キエフのクリチコ市長はオンラインの演説で「キエフの北と東で一晩中、大きな爆発音が聞こえた」と述べたほか、チェルニヒウ州のチャウス知事も「ロシアの攻撃はやんでいない」と述べ、攻撃が続いていると訴えました。

(以下略)

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 ロシアは大軍で国境を越え、一方的にウクライナの軍民施設を攻撃して廃墟として、膨大な数のウクライナ国民を国外避難のやむなきに至らしめているのですから、明白で悪質で、言い訳の余地のない「侵略」
「占領」ですが、NHKは占領という言葉を避けて、常に“掌握”と言い続けています。上記の2件は記録が取れたものを挙げただけで、この2件に留まる話しではありません。

 言うまでも無いことですが、
“掌握”を異常に広義に捉えれば、“占領”は“掌握”に含まれるという「詭弁」が成り立つかもしれませんが、武力による不当な“掌握”「占領」と言うべきです。

 日本国民の中で、今回の事態で、ロシアに声援を送る人はほとんどいないでしょう(評論家等の中には、
反米の立場からか、ロシアの立場に“理解を示す”人がいるようです)。

 ロシアに
北方領土を奪われている日本にとって、ロシアの行為は人ごとではありません。
 北方領土に対する日本政府の立場は、ロシアの「不法占拠」ですが、そのうちNHKは「ロシアが
“掌握”している」と言い出すかもしれません。

令和4年3月31日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ