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警察官を死なせたマスコミ

 東京の世田谷で警察官が刃物を持った男に切られ、死亡しました。8月27日の産経新聞によると、死亡した警察官は4発威嚇射撃をし、その後発射した1発が犯人の胸に当たったとのことです。警察の拳銃は確か5連発のはずですから、最後の1発だったわけです。

 警官はなぜ最初の1発を犯人に向けて発射しなかったのでしょうか。そうすれば、警察官の命は失われずに済んだはずです。凶器を持った犯人が警官に襲いかかり、身に危険が迫っているわけですから、発砲をためらう必要はなかったはずです。

 警察官が発砲をためらったのは、発砲して射殺した場合のマスコミの追及が脳裏をよぎったからだと思います。日本のマスコミは警察官が発砲すると、条件反射のように警察を追及します。警察署長はその都度、「発砲はやむを得なかった」と弁解に追われます。今回、犯人のみが死亡し、警察官が無傷だった場合、マスコミがどのような警察非難をするかは想像に難くありません。そのようなことが長年繰り返されてきたことが、今回の警察官の死を招いたのだと思います。

平成13年8月27日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ