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反日の前には反米が引っ込む朝日新聞(アメリカの反日報道に迎合する朝日新聞)

 9月11日の朝日新聞夕刊の1面と12面に、沖縄のアメリカ兵による婦女暴行事件の初公判の記事がありました。見出しを拾うと以下の通りです。

 第1面、「米兵、容疑を否認」、「合意のうえの行為」

 第12面、「司法・報道 問われる人権」、「被告側 日本の裁判に不安」、「被害者 報道被害は深刻」、「米メディア報道」、「性犯罪 日本国内は甘い」、「容疑者が米兵だと騒ぐ」

 これを見ると、見出しのほとんどはアメリカ兵、アメリカの側に立ったもので、被害者、日本人の立場に立ったものは、「被害者 報道被害は深刻」と言うものだけです。この報道被害云々と言うものすら、批判の対象としているのは日本の週刊誌ですから、日本人の立場に立った見出しとは言えません。

 12面の記事では25行にわたって被告人、弁護士の言い分が書かれていますが、警察や検察、被害者の言い分はほとんどありません。この25行に続いて55行にわたって書いてあるのは、日本の週刊誌の記事が被害者の人権を侵害したという週刊誌に対する非難だけです。

 さらにこのページでは、「米メディア報道」、「性犯罪 日本国内は甘い」、「容疑者が米兵だと騒ぐ」と言う見出しで、次のようにアメリカのマスコミ報道を引用しています。

 ウッドランド被告の事件を伝える米メディアの視線は、基地を抱えた沖縄の現状より、性犯罪に甘い日本杜会に向いている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は「沖縄駐留の米兵のような外国人が起こした性犯罪には強い関心を寄せる日本が、普通のセクハラや性的いたずらはほとんど無視する」と書いた。

 「容疑者が米国人のときだけ騒ぐ日本」と題する記事を載せたのは、ロサンゼルス・タイムズ紙。セクハラ裁判に詳しい日本の弁護士らに取材し、「同じ事件を沖縄以外の場所で日本人が起こしたとしたら、これほどの関心は呼ばなかった」という声を紹介した。性犯罪の被害女性に向けられる冷たい目にも触れた。

 週刊誌タイムは、8月末に事件を報道した。「日本の男性と違ってアメリカ人は女性を喜ばせる方法を知っている」と語る若い日本人女性を特集。事件が大問題になった背景にはマスコミの取り上げ方があることを指摘し、「沖縄の新聞を読むと、犯罪を起こすためだけに米兵が沖縄に駐留しているかのような書き方だ」と決めつけた。


 沖縄のアメリカ兵の犯罪が、特別な関心を引き起こすのは、彼らに日本の司法権が及ばないからです。日本の裁判所が逮捕状を出しても逮捕できないからです。日本の司法権が及ぶ民間人の犯罪であれば、アメリカ人だからと言って特別な関心を呼ぶことはなかったと思います。それに、日本の新聞は自衛官の犯罪も常に大きく扱いますから、沖縄のアメリカ兵だけが不当に報じられているとは言えません。

 また、大阪府知事の横山ノックが些細なセクハラで知事の座を棒に振ったこともある訳ですから、一概に日本がセクハラに甘いとは言えません。それに、性犯罪に甘い日本を批判するなら、ウッドランド被告の厳罰を求める主張をすべきです。「性犯罪の被害女性に向けられる冷たい目」だとか、「日本の男性と違ってアメリカ人は女性を喜ばせる方法を知っている」とか言うのは、今回の事件とどういう関係があるのでしょうか。被害者はウッドランドの暴行を喜んでいたとか、ウッドランドの暴行そのものより、被害者を冷たい目で見る周囲の方がけしからんから、ウッドランドの暴行ぐらいは許すべきだとか、そう言う主張になるのでしょうか。
 このような日本の世論に対する批判は、日本に対する支離滅裂な八つ当たりと言うべきです。

 アメリカの新聞の指摘は的外れであり、話のすり替えだと思います。そのすり替え報道を批判もせずに、肯定的に報じている朝日新聞はとても日本の新聞とは信じられません。
 また、「日本の男性と違ってアメリカ人は女性を喜ばせる方法を知っている」と言うような話は、たとえアメリカの新聞の引用であっても、日本人の女性が強姦された事件の記事に並べて書くような内容ではないと思います。

平成13年9月16日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ