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大蔵省懇談会、新聞社社長の参加は避けるべき

 大蔵省が設置した「大蔵省の行政のあり方に関する懇談会」のメンバーが発表されました。産経新聞、毎日新聞、日経新聞、読売新聞の各社社長が含まれています。どういう基準でメンバーを選んだかは明かではありませんが、ニュースを報道する立場のものは、そのニュースと直接関わりを持つ行為は避けなければなりません。社長を送り込んだ新聞は、この懇談会の議論、結論について、客観的で公正な論評がむずかしくなると思います。行政と新聞社の不透明な関係と見られるおそれもあります。新聞にとって危険な行為です。

 新聞の使命は国民に必要な情報を提供し、国民の多数意見を政治に反映する媒体となることです。直接行政に関与するのは新聞社の役割ではありません。現在の状況で新聞社各社の社長をメンバーに加えた大蔵省の意図を考えてみる必要があります。全国紙のうち朝日新聞だけが参加していませんが、報道の対象となるものと関係を持つことを避けるというのであれば、それは一つの見識と言えると思います。

平成10年4月24日     ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る    A目次へ