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小泉改革を支持しているふりをして足を引っ張っている朝日新聞

 4月29日の朝日新聞は、社説で「トリプル選挙――首相に苦い1周年」と題して次のようにいっていました。

 
「小泉純一郎首相はどうも期待外れだが、もう少しはチャンスを与えてみよう。勝敗を分けた二つの補選には、有権者のそんな意識がのぞいた・・・」
 「就任から1周年、国政選挙で常勝だった小泉自民党は、新潟補選でついにつまずいた。『小泉改革』への失望感に加え、地元選出の田中真紀子前外相の動向が影響したのは間違いない」
 「自民党をぶっ壊す」といったはずの首相も、いまやいら立たしい。さりとて代わる政権もいまは考えにくい。それが有権者の気分ではなかったか。


 小泉首相の支持率が下がったのは、小泉首相が掲げた改革が官僚などの抵抗勢力に阻まれて、はかばかしい成果を上げていないからであって、小泉首相の主張に対して批判が高まったわけでもなければ、抵抗勢力の支持者が増えたわけでもありません。朝日新聞は小泉首相に「もう少しはチャンスを与えてみよう」と言っていますが、朝日新聞は小泉改革の支持者なのでしょうか。朝日新聞が小泉首相の改革を本当に支持しているのであれば、改革を妨げている抵抗勢力をもっと批判すべきだと思いますが、朝日新聞の批判の矛先は抵抗勢力には向かわず、もっぱら小泉首相に向けられています。これはいったいなぜでしょうか。

 朝日新聞は4月22日の世論調査でも、小泉首相が就任当初「自民党をぶっ壊す」と言ったことを取り上げ、このことにこだわっていましたが、小泉首相は自民党の理念を否定して民社党や共産党のような政治を実現しようといっているわけではもちろんありません。今の自民党では、自民党が本来理想とする政治はできないと考えていることを、わかりやすく表現しているにすぎません。自民党政治の支持者でもない朝日新聞が、この言葉の言葉尻だけをとらえて、小泉首相の支持率低下を強引に反自民に結びつけようとするのは議論のすり替えだと思います。

平成14年5月6日     ご意見・ご感想は こちらへ     トップへ戻る     目次へ