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「日本海問題」を第三者的に報じる読売新聞(日韓友好の欺瞞)

 8月18日の読売新聞が、
「名称問題ヒートアップ」という見出しの記事で、「日本海」の名称問題を次のように大きく取り上げました。

 
「『日本海』の名称問題が、波紋を広げている。国際水路機関は『東海』への改称を求める韓国の主張に応じて、来年改訂予定の海図『大洋と海の境界』の最終稿から『日本海』の掲載ページを削除。これに対して日本政府は・・・巻き返す方針で、海の呼称問題は日韓双方のメンツをかけた論争に発展しそうな気配だ」

 この問題は数年前から顕在化していた問題で、国際水路機関が削除を決定してからの報道は、遅きに失していると言わざるを得ません。
 また、読売新聞の報道の仕方は両国の主張を並べる両論併記で、紙面からは韓国のごり押しから、「『日本海』を守る」という意志が感じられません。この問題は韓国政府が根拠のない主張をごり押ししてきたことから生じた問題で、その意味では「竹島」の問題と同じ構図です。「日韓双方のメンツをかけた論争」ではありません。そう言うとらえ方は日韓双方を同じ位置に置くもので、韓国政府を喜ばせるだけだと思います。読売新聞の記事には両国間の紛争に対する「第三者的」なトーンが感じられます。

 この種の日韓の紛争を報じる日本の新聞記事には、「日韓友好にひびを入れてはいけない」という配慮があると思います。竹島の不法占拠を報じる記事にもこの種の「配慮」が感じられます。一方、韓国側には官民を問わずこのような配慮は一切ありません。わが国だけが、「友好」の2文字が呪縛となって身動きできなくなっています。

 「友好」とは一体何でしょう。日韓両国は本当に友好国なのでしょうか。日本にとって韓国は本当に友好国でしょうか。韓国はわが国にとって隣国であると言うだけで、友好的な国であるという根拠はどこにもないと思います。「日韓友好」は理想であっても現実ではないのです。理想と現実を混同してはいけません。

 「友好」とは相手がいかなる国であっても、自国の利益を損なわないと言うことが大前提であると思います。自国の利益を一方的に犠牲にする「友好」は「友好」ではありません。日本と韓国の間で紛争が起きるたびに「日韓友好」に配慮すべきと言う主張がありますが、日韓友好が現実のものでなく、韓国が少しも友好的ではない以上、こういう主張は欺瞞という他はありません。自国の利益を犠牲にし続けることによって維持される「日韓友好」は偽りであり、守るに値しない「友好」だと思います。

平成14年8月18日     ご意見・ご感想は こちらへ     トップへ戻る     目次へ