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マスコミを避ける甲山事件の無実の人達

 甲山事件で偽証罪に問われていた元園長と元指導員の無罪が確定しました。これで3被告人の無罪がすべて確定したことになり、弁護団の3人の弁護士が大阪司法記者クラブで記者会見をしたことが11月5日の朝日新聞に報じられました。しかし、そこには元被告人の山田さんをはじめとする3人の人たちの姿はありませんでした。弁護士の口から、間接的に山田さんの、「自分だけ確定しても裁判が終わったとは言えない」、「これですべて終わりました」と言う言葉が伝えられているだけです。

 長い裁判に終止符が打たれ、晴れて無罪となり、もう何の心配もないわけですから、マスコミのインタビューに応じ、記者会見に応じて、思いを語っても良さそうに思います。本人にしても、家族にしても言いたいことが山ほどあるのが普通ではないでしょうか。今までの著名な冤罪事件で、無罪が確定した被告人がマスコミを避けると言うことはなかったように思います。

 10月20日の朝日新聞によれば、山田さんは判決確定後初めて朝日新聞とのインタビューに応じた以外、肉声が伝えられたことはなく、ご本人の写真は全く載っていないそうです。山田さんは裁判の途中から記者会見をしなくなった理由について、「・・・もの言えば唇寒しと言う思いがつきまといました」と言っているそうですが、そうであればなおさら、無罪が確定した今、思いの丈を語るのが普通ではないのでしょうか。

平成11年11月6日   ご意見・ご感想は    こちらへ     トップへ戻る      目次へ