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最高裁判事の任命

 1月31日の朝刊各紙は最高裁判事に、上田豊三氏が内定したことを報じていました。朝日新聞の記事は次のとおりです。

 「政府は30日、2月20日で定年を迎える千種秀夫・最高裁判事の後任に大阪高裁長官の上田豊三氏(64)を充てる人事を内定した。山口繁・最高裁長官が小泉純一郎首相を訪れて上田氏を推薦し、首相も了承した・・・」

 最高裁判事は、いつもこのような形で選任されているようですが、これは好ましい方法なのでしょうか。
 言うまでもなく、最高裁の判事を任命するのは内閣であって、最高裁判所ではありません。それにもかかわらず毎回のように最高裁が後任候補者1名を推薦し、その推薦されたものが任命されていると言うのは、
最高裁が実質的な任命権を握り、内閣の任命権が形骸化しているのではないでしょうか。「首相も了承した」と言う表現からは、任命権を行使したと言う実態が感じられません。

 最高裁が1名を推薦すると言うことは、首相には受け入れるか拒絶するかの選択肢しかありません。このような推薦の仕方は首相の任命権を実質的に制約するものだと思います。最高裁は推薦するのなら、複数の候補者を推薦し、首相に選択権を残すことが必要だと思います。また、推薦は最高裁に限るべきではないと思います。

平成14年1月31日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ