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トランプ大統領の裁判所批判は当然のこと 「司法の独立」を云々する方が“不当な圧力”


 2月9日のNHKニュースは、「トランプ大統領の裁判所批判
司法の独立脅かすと懸念の声」と言うタイトルで、次のように報じていました。
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トランプ大統領の裁判所批判 司法の独立脅かすと懸念の声
2月9日 12時34分 NHK

 アメリカのトランプ大統領が、大統領令の即時停止を命じた仮処分をめぐって裁判所への批判を強めていることに対し、新たに連邦最高裁判所の判事に指名された人が「失望した」と述べたと伝えられるなど、
司法の独立が脅かされていると懸念する声が上がっています。

 アメリカのトランプ大統領が7か国の人の入国を一時的に禁止することなどを命じた大統領令について、西部ワシントン州にある連邦地方裁判所は即時停止を命じる仮処分の決定を出し、トランプ政権から不服の申し立てを受けた連邦控訴裁判所は、今週中にも判断を示すとみられています。

 これについてトランプ大統領は、首都ワシントンで8日、警察官の会議で演説した際、「国家の安全のためなら入国の停止や制限など何をしてもよい。君たち警察官は理解しているはずだ」と述べ、大統領令を正当化しつつ、同意を求めました。

 そして、「
裁判所はかなり政治的なようだ。裁判所が正しいことを行うのが司法制度にとって重要だ」と述べ、連邦控訴裁判所は仮処分を取り消すべきだという考えを改めて強調しました。

 これに対し、トランプ大統領が連邦最高裁判所の判事に指名した保守派のゴーサッチ氏が「トランプ大統領の発言はやる気をなくさせ、失望した」と述べたと有力紙ニューヨーク・タイムズが伝えました。

 トランプ大統領が裁判所への批判を強めていることについて、アメリカメディアは司法の独立が脅かされているなどと批判的に伝えています。
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 トランプ大統領は
裁判の当事者である行政府の長で有り、裁判所の判断に対して意見をのべたり、不満がある時は不満を述べるのは当然のことです。むしろ沈黙していたら、その方が無責任と言うべきです。彼の支持者達は(批判者も)大統領の見解を聞きたいはずです。
 彼は決して裁判所の判断を無視すると言っているわけではなく、法に基づいて上訴の手続きを取ると言っているに過ぎません。

 一般の民事事件でも刑事事件でも判決に不満がある当事者は、誰でも自由にその不満を述べることが出来ます。当事者の口を封じることの方があってはならないことです。その方が民主主義の大原則に反します。
 NHK他のマスコミも野党の政治家も、意に沿わない裁判所の判断には、公然と批判の声を上げています。

 公権力を行使して判事に対して
有形無形の不当な圧力を加えることが無い限り、訴訟の当事者が裁判所を批判したり、不満を述べたりすることは、司法の独立を侵したことにはならず当然のことです。むしろそれを司法の独立を侵すと言って批判する方が、過剰反応を通り越して、「不当な圧力」であると非難されるべきだと思います。

平成29年2月10日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ