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憲法24条には、結婚について「両性」だけでなく「夫婦」とも書かれていて、結婚が男女間が前提であり、同性婚は想定外(否定)であることは明らかだ。

 3月17日のNHKのテレビニュースは、「同性婚認めないのは違憲の初判断 国への賠償は退ける 札幌地裁」と言うタイトルで、次の様に報じていました。
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同性婚認めないのは違憲の初判断 国への賠償は退ける 札幌地裁
2021年3月17日 18時46分 NHK

 
同性どうしの結婚が認められないのは憲法に違反するとして北海道に住む同性カップル3組が訴えた裁判で、札幌地方裁判所は「合理的な根拠を欠いた差別的な扱いだ」として法の下の平等を定めた憲法に違反するという初めての判断を示しました。

 一方で、
国に賠償を求める訴えは退けました。

 北海道内に住む同性のカップル3組は、同性どうしの結婚が認められないのは「
婚姻の自由法の下の平等を定めた憲法に違反する」として、おととし、国に賠償を求める訴えを起こしました。

 17日の判決で、札幌地方裁判所の武部知子裁判長はまず「憲法24条の『婚姻は
両性の合意のみに基づく』との規定は、『両性』など男女を想起させる文言が使われるなど異性婚について定めたものだ」として、婚姻の自由を定めた憲法24条には違反しないと判断しました。

 一方で「
同性愛者異性愛者の違いは人の意思によって選択できない性的指向の違いでしかなく、受けられる法的利益に差はないといわなければならない。同性愛者が婚姻によって生じる法的利益の一部すらも受けられないのは合理的な根拠を欠いた差別的な取り扱いだ」などとして、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するという初めての判断を示しました。

 国に賠償を求める訴えについては、「国会で同性カップルの保護に関する
議論がされるようになったのは最近のことで、憲法違反の状態であると直ちに認識するのは容易ではなかった」として退けました。

(以下略)

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 判決は憲法24条の
「両性の規定」「異性婚」について定めたもので、「同性婚」には適用されないと言うが、そもそも憲法は「同性婚」なるものを想定しているのでしょうか。

 判事は「憲法24条の『
婚姻は両性の合意のみに基づく』との規定は、『両性』など男女を想起させる文言が使われるなど異性婚について定めたものだ」と言って、同姓婚には適用されないと言っていますが、この条文はその後に、「夫婦が同等の権利を有する・・・」と続いており、これは「男女を想起させる」と言うのでは無く、「結婚」「男女を当然の前提」としている事は明らかです。
 
“異姓婚”などという言葉は憲法制定当時はもちろん、でも存在せず、この判事達の造語であり、造語に基づく主張は説得力はゼロで、言っていることは“屁理屈”に過ぎません。憲法解釈として見当違いも甚だしいと言えます。

 そもそも
自然界ではいかなる種類の生物に於いても、雌雄の別ある生物である限り雄同士雌同士の交尾・交配の行為などは絶対にあり得ない現象です。
 人間の
“同姓婚”などは、病気(精神疾患の一種)であり、病人に必要なのは治療であって、病気を健康に含めることではありません。不治の病と諦めて放置するのは例外です。

 判決理由は
同姓婚者の“法的利益”を云々していますが、憲法・法律が結婚を保護するのは、結婚(家庭)を保護し、子供の誕生と健やかな成長を守ることが国家・社会の繁栄・安定の基礎だからであり、安定した家庭は子供の健やかな成長のかなめと言えるからです。
 その点で
“同性夫婦”は保護する必要性がないし、子供がいなければ離婚のデメリットも小さいと言えます。仮に“同姓婚”が合法であったとしても、“法的利益”が同じである必要はありません。

 
“同性婚”なる言葉が出来、その容認論が少数意見としてが出てきたのが、判決が言うように“最近のこと”であり、“憲法違反の状態・・・認識するのは容易ではなかった”と言うことは、“同姓婚”の権利容認は、今なお“少数意見に止まる”と言う事に他なりません。今でも決して多数意見では無いのです。

 それにも関わらず、裁判所が
憲法制定当時は全く想定もされておらず、現代の法令でも認めらず、社会でも少数意見に過ぎない主張に沿った判決理由を述べて、憲法違反と断定し、かつ、それにも拘わらず、少数意見である事を理由に賠償請求を棄却するのは判決理由と判決主文が矛盾し相反した精神分裂判決と言うべきです。

 憲法にも法令にも、現在の国民の認識からも根拠がない少数意見を根拠に、
行政に対して違憲の判断を突きつけるのは、裁判所の職権乱用であり三権分立の否定と言うべきです。裁判所は法の番人に過ぎず、“正義の味方”ではありません。

 今回判事が判決理由と矛盾する結論を出して、批判を逃れようとしましたが、そのため
判決は国の勝訴であるために、被告の国は控訴することが出来ません。もし、原告も控訴せずこのまま判決が確定し、判決理由の部分が判例とされるようなことがあれば、次回の別人の同種の訴訟では「憲法違反の状態であると直ちに認識するのは容易」であったとして、国の賠償が認められる事態となるかもしれません。今回の判決は次回を見越しての深慮遠謀かもしれません。

令和3年3月25日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ