D81
韓国が日本の商業文化を制限する理由

 1月25日の産経新聞の記事で、韓国の金大中大統領が記者会見で次のように語ったことが報じられていました。

 
「・・・小泉首相が約束した靖国神社代替施設の問題が解決されなかったため『日本の大衆文化(日本の商業文化)に対する全面解禁が出来なかったことは遺憾だ』とし、『次期政権下ですべての問題が解決され天皇訪韓まで実現することを望んでいる』と語った」

 金大統領は昨年1月15日の記者会見では、日本の商業文化制限をやめられないのは、教科書問題が原因だと言っていました(D57 韓国が日本の「大衆文化」を開放しない理由 参照)。言っていることがそのたびに異なり、どれが本当なのか全く信用できません。
 仮に今回言っていることが本当で、靖国神社参拝の問題が本当の理由だとしても、そういう主張は大変不可解なことだと言わざるを得ません。

 単純に考えてみて、靖国神社と商業文化とは何の関係もありません。靖国神社が商業文化を作っている訳ではないし、商業文化に頻繁に靖国神社が登場する訳でもありません。また、韓国の日本の商業文化に対する制限は、大韓民国の建国以来のことであって、近年、靖国神社の問題が表面化してからのことではありません。

 それにもかかわらず韓国政府が、靖国神社の問題が日本の商業文化の制限を撤廃しない理由だというのなら、日本の商業文化制限は、靖国神社の問題で自分たちの希望が受け入れられないことに対する、不快感の表明あるいは“いやがらせ”としか考えられないと思いますが、はたして本当にそうでしょうか。
 日本政府は韓国政府に対して、日本の商業文化に対する制限を撤廃するように求めてはいませんから、制限を継続しても日本政府に対する有効な“いやがらせ”にはならないと思います。

 彼らが靖国神社の問題に関して、日本人に対して不快感を表明したいのであれば、そんなことよりも「朝鮮通信使」の派遣などを真っ先に中止すればいいと思います。その方が不快感の表明としてはまっとうなやり方だと思いますが、彼らは中止しません。中止するどころか、ますます頻繁に日本に押し掛けてきは、日本人に「交流」を強要しています。私が新聞で確認しただけでも、昨年1年間で4〜5回も「朝鮮通信使」の仮装行列が来たほか、高校生の農楽隊が来日するなど、韓国人が頻繁に日本に来ています。

 これらのことを考えると、金大統領が挙げている「靖国神社の問題」は、韓国が日本の商業文化の制限を続けている本当の理由であるとは到底思えません。金大統領はなぜ本当の理由を言わないのでしょうか。それは、恥ずかしくて言えないことが本当の理由だからだと思います。

 韓国人が日本の商業文化の制限を続けている本当の理由は、日本の商業文化が大流行して、建国の建前が虚構であることが露見することを怖れているのだと思います。
 韓国では、日本の植民地下で朝鮮人は不幸であったと言うことが建前になっています。これは国是のようなものです。ところが、もし日本の商業文化が大流行したら、その建国の建前には当然疑問符が付きます。「親日派の弁明」の金完燮氏らの主張が正しいことが明らかになってしまいます。そのように事態は、現在の韓国を牛耳っている政治家や学者や新聞記者には受け入れ難いことだと思います。そんな事態になれば、虚構のうえに成り立っている「大韓民国」が崩壊してしまいます。

 金大統領が日本の商業文化の制限を続ける一方で、その理由がコロコロ変わる理由はこの辺にあると思います。韓国人は制限をやめても洪水のような流入の心配がないと確信出来るときまで、日本の商業文化の制限をやめないと思います。

平成15年1月26日     ご意見・ご感想は こちらへ     トップへ戻る     目次へ