E21
戦争なのか、犯罪なのか

 アメリカのブッシュ大統領は、今回の同時多発テロ事件に対して、「これは戦争である」、「アメリカに対する宣戦布告である」と言っています。もし、ブッシュ大統領が本気でそう考えているのなら、この攻撃に参加して捕らえられた者は捕虜として扱われるべきです。捕虜を犯罪者として処刑することは、野蛮な行為であって国際法に反します。

 パレスチナではパレスチナ人のテロに対して、イスラエル軍が戦車やミサイルを使ってパレスチナ人を攻撃し、相当な死傷者が出ていますが、アメリカは双方に「暴力」の自制を呼びかけているだけで、戦争だとは言っていません。

 もし、戦争ではなく犯罪として取り扱うならば、アメリカの司法権は外国には及びませんから、アフガニスタンに対する報復行動は違法であると思います。アメリカに出来ることはICPO(国際刑事警察機構)に国際手配することぐらいではないでしょうか。いまだ国際刑事裁判所が日の目を見ず、アメリカが国際刑事裁判所の設立に反対している以上やむを得ないことだと思います。

 今回の事件で改めて国連が無力であることが誰の目にも明らかになったと思います。ソ連なき後、アメリカ一国だけがやりたい放題のことが出来る世界というのは、正義とは程遠い世界だと思います。

平成13年9月14日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ