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イラクと北朝鮮 アメリカの対応のダブルスタンダード

 北朝鮮が核兵器の保有を公言しましたが、アメリカのブッシュ政権は武力に訴えても大量破壊兵器を廃棄させると言っていません。4月26日の読売新聞によるとアメリカのラムズフェルド国防長官は、今後も外交努力による解決を探る方針を強調したそうです。アメリカにとって北朝鮮はイラク、イランと並ぶ「悪の枢軸」のはずですが、なぜイラクの場合と対応が極端に異なるのでしょうか。

 イラクは国連の査察を受け入れていました。そして、大量破壊兵器は持っていないと言っていました。それにもかかわらず、アメリカは保有していると断定し武力行使に訴えました。一方、北朝鮮は自ら核兵器を保有していると公言したわけですから、武力行使をためらう理由は全くないはずです。
 北朝鮮はイラクが持っていなかった長距離弾道ミサイルも持っているのですから、アメリカにとっても周辺諸国にとっても、イラク以上に危険な国であることは明白です。

 アメリカは現在ではイラク国民のために、独裁政権を倒すために戦ったと言うようなことを言っていますが、北朝鮮の独裁政権の圧政と暴虐ぶりはイラクに引けを取りませんから、この点でも、アメリカが武力行使をためらう理由は何もないはずです。
 アメリカの説明は信用できません。皮肉なことですが、北朝鮮はアメリカの矛盾を暴く上で多大な「貢献」をしています。

平成15年4月27日  ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ