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北朝鮮とミャンマー

 8月2日の産経新聞は、「米朝、2国間対話も」という見出しで次のように報じていました。

 
「・・・ホワイトハウスのマクレラン報道官は、同日の記者会見で、『北朝鮮が検証可能、再開不可能な方法で核開発を放棄した場合、国際社会から多くの利益を得ることができる』と述べ、6カ国会議が成功した場合北朝鮮に対して大規模な支援を行う可能性にあらためて言及した」

 アメリカは再三、北朝鮮には「核開発放棄に対する見返りは与えない」と公言してきましたが、これがウソであることは明らかです。

 アメリカはミャンマーの軍事政権を目の敵にして、つい先日も、ミャンマーからの輸入禁止などを盛り込んだ「ビルマの自由と民主主義法」(ビルマ制裁強化法)を成立させました。アメリカは自国が制裁を加えるだけではなく、日本がささやかな援助をすることにも反対しています。

 しかし、ミャンマーは大量破壊兵器を開発しているわけでもなく、周囲に脅威を及ぼしている訳でもありません。アウンサン・スーチーさんを軟禁しているとはいえ、大量の政治犯を処刑し、あるいは強制収容所で虐待のあげく死に至らしめている北朝鮮とは天と地ほどの違いがあります。

 そのミャンマーに経済制裁を加える一方で、北朝鮮の体制を保証し、あまつさえ援助を与えようと言うのは、どう考えても矛盾しています。我々はアメリカの正義を鵜呑みにしてはならないと思います。

平成15年8月2日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る   目次へ