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欧米諸国に中国のアフリカ政策を「新植民地主義」と批判する資格があるのか−自ら侵略者と認めた日本の馬鹿さ加減−

 5月30日の読売新聞は、「医療に支援拡充 批判かわし進出強化へ」という見出しで、次のように報じていました。 
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 【北京=五十嵐文】「中国企業の投資を一層後押ししていく」。中国の習近平(シージンピン)国家主席は28日、タンザニア東部ザンジバルのシェーン自治政府大統領と北京の人民大会堂で会談した際、アフリカ進出をさらに強化する考えを示した。
 政府を挙げての攻勢の結果、中国は2009年にはアフリカとの貿易総額が米国を抜いて世界トップとなり、中国政府によると、12年時点では2000億ドル(約20兆3828億円)に迫る勢いだ。09年末までの中国の対外援助総額の累計約2562億元(4兆2232億円)のうち、45・7%にあたる約1171億元(1兆9303億円)がアフリカ向けとなっている。
 だが、中国企業の急速な進出と、約100万人とされる中国人の大量流入が「地元の雇用につながらない」といった反発を招き、中国人が襲撃される事件も起きている。中国のアフリカからの輸入額の9割以上が石油・天然ガスや金属鉱物に偏っていることも、
欧米諸国から「新植民地主義」との批判を呼んでいる。・・・
(以下略)
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 欧米諸国が中国のやり方を「新植民地主義」と批判しているとのことですが、欧米諸国の中には、かつてアフリカに植民地を持っていた、フランス、イギリス、ベルギー、ポルトガルなどの「旧植民地主義」の国家が多数含まれています。

 今の中国を「新植民地主義」と批判する人たちは、当然これら諸国の「旧植民地主義」を批判しなければなりません。奴隷まで輸出し、収奪に徹していた旧植民地主義の苛酷さは、今の中国の比ではありません。
 彼等は、自国の植民地主義を厳しく自己批判したことがあったのでしょうか。自分に甘く他人に厳しいと言う身勝手な人間の典型を見る思いがします。

 私はいかなる意味でも中国を擁護するつもりはありませんが、アジア・アフリカを植民地支配し、未だにその非を認めたことがない
欧米諸国には、中国の「新植民地主義」を批判する資格はないと言わざるを得ません。

 それを考えると「村山談話」を発表して自ら侵略者と認めた
日本の馬鹿さ加減と、その見直しを訴える日本の政治家を批判する欧米諸国の狡猾さが一層際立ちます。

平成25年6月4日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ