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ミシェル大統領夫人の法的地位−一人で来れば、ただの人ではないのか−


 3月18日のNHKニュースは、「米大統領夫人 きょう来日」というタイトルで、次のように報じていました。
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NHK ニュース詳細

米大統領夫人 きょう来日
3月18日 7時31分

米大統領夫人 きょう来日

 アメリカのオバマ大統領の夫人、ミシェルさんが18日から初めて日本を訪れ、安倍総理大臣夫人の昭恵さんと共に
日米が協力して途上国の女子教育を支援していく方針を表明することにしています。

 アメリカのファーストレディーのミシェル夫人は、18日から20日までの3日間、日本を初めて訪問し、東京や京都を訪れます。
 東京では、安倍総理大臣の夫人の昭恵さんと共に女子学生たちを前に女性の教育の重要性について講演し、日米が協力して途上国の女子教育を支援していく方針を表明する予定です。

 また、20日には京都に移動し、清水寺や伏見稲荷大社などを訪問することにしています。
 ミシェル夫人は世界には貧困やテロの脅威などで学校に通えない女の子が6200万人いるとして、今月上旬、女性の教育を支援するキャンペーンを立ち上げており、途上国で教育の支援を長年続けてきた日本との連携を強化したい考えです。
 具体的には、途上国で活動する日本の青年海外協力隊と、アメリカの政府系ボランティア組織「平和部隊」の協力を深めたいとしています。
 ミシェル夫人は20日夕方、次の訪問地のカンボジアに向かい、現地で女子教育を支援する
アメリカの「平和部隊」を視察する予定です。

ミシェル夫人とは
 オバマ大統領の夫人、ミシェル・オバマ氏は51歳。アメリカ中西部イリノイ州シカゴで生まれ育ったアメリカ史上初の黒人のファーストレディーです。
ミシェル夫人は、プリンストン大学で社会学と黒人社会について学んだあと、オバマ大統領と同じハーバード大学法科大学院を卒業しました。
 卒業後、勤務していたシカゴの法律事務所でオバマ大統領と出会い、2007年、オバマ大統領の選挙活動を支援するために仕事を辞めるまでは弁護士として活躍していました。
 ミシェル夫人は、2人の娘、マリアさんとサーシャさんを育てる教育熱心な母親としても知られるほか、ファッションセンスが大きな注目を集めてきました。
これまでたびたびアメリカの雑誌に特集されてきたほか、2007年から3回、雑誌のベストドレッサー賞にも選ばれています。

 また、ファーストレディーとしてさまざまな社会貢献活動にも取り組んでいます。
2010年には、肥満が社会問題となるアメリカで、食生活を見直して運動を推進することで子どものうちから肥満を防ごうというキャンペーンを立ち上げ、ホワイトハウスの敷地内に有機野菜を育てる家庭菜園も作っています。

 また、2011年には、バイデン副大統領の夫人、ジルさんと共にアメリカの退役軍人の生活や就職を支援するキャンペーンを始めました。
 こうした肥満対策や退役軍人の支援といったファーストレディーが取り組むキャンペーンは、ホワイトハウスが進める医療保健制度改革や、アフガニスタンとイラクでの「二つの戦争」の終結などの政策を後押しするねらいがあるとされています。

 アメリカの世論調査機関、「ピュー・リサーチセンター」によりますと、去年1月の時点で、オバマ大統領を「好ましい」と答えた人が51%だったのに対し、ミシェル夫人は
68%と、オバマ大統領をしのぐ高い人気を誇っています。
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 NHKはニュースで大きく取り扱っていますが、
大統領夫人(ファーストレディー)とは、いかなる地位にあると考えているのでしょうか。果たして彼女は公務員でしょうか。
 民主主義国家では、
選挙で選ばれたわけでも、選考試験に合格して採用された訳でもなく、単に大統領の家族であると言うだけで、公務員の地位にあるとは考えにくいものがあります。
 公務員でなければ、大統領の妻といえども一民間人に過ぎないと考えるべきです。

 大統領に
同伴して来るなら、まだ話は分かります。国家元首の家族として手厚くもてなすのは問題はありません。しかし、単独・別行動で来るなら「ただの人」以外の何者でもないのではないでしょうか。

 この「夫人(配偶者)特別扱い」は
“男女平等の観点”からも、大いに問題があります。なぜなら、配偶者を特別扱いするのは、本人が男性で、配偶者が女性の時に限られているからです。現代では女性の大統領、首相も珍しくなくなりましたが、彼女達が配偶者である夫を伴って外国を訪問するケースは全く見られません。

 男女平等に口うるさいアメリカで、大統領の妻を“ファーストレディー”と称して、支持率の調査までするのは、妻(女性)をあたかも夫の付属物のような扱いをしていると言う非難はなぜないのでしょうか。

平成27年3月18日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ