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ベトナム戦争激化のきっかけとなった「トンキン湾事件」を彷彿とさせる、ホルムズ海峡タンカー攻撃事件 −同じ手口を繰り返すアメリカ−

 6月15日の読売新聞は、「タンカー攻撃、国連総長が第三者調査求める」という見出しで、次のように報じていました。
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タンカー攻撃、国連総長が第三者調査求める
2019/06/15 16:59  読売

「イラン関与」 米、機密開示も

 【ニューヨーク=村山誠、ロンドン=緒方賢一】
国連のグテレス事務総長は14日、中東ホルムズ海峡近くのオマーン沖で日本などのタンカー2隻が攻撃された事件について、「独立した団体による調査が必要だ」と述べ、第三者による調査の必要性を訴えた。攻撃を巡り、米国とイランが非難の応酬を繰り返しているためだ。中東では最近、軍事的な緊張が高まっており、関係国に対し冷静な対応を求める声が相次いでいる。

 グテレス氏は14日の記者会見で、タンカー攻撃に関する調査について、「真実と責任の所在を明らかにする必要がある。
検証は独立した団体によってのみ可能だ」と主張した。

 攻撃を巡っては、米政府が「イランに責任がある」と主張し、
イランの革命防衛隊が攻撃に関与したとする映像を公開した。

(以下略)
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 ホルムズ海峡における日本船舶攻撃事件は、安倍総理がイランを訪問中に起きた出来事で、
日本とイランの良好な関係を考えると、イランがそのような事件を起こすとは考えにくく、また、アメリカによる動画の公開も余りに手際が良すぎて、かえって逆効果の感があります。国連事務総長からも、第三者による調査の必要性が指摘されています。

 かつてアメリカは
ベトナムで、「トンキン湾事件」と呼ばれた、アメリカによる偽装事件を引き起こし、北ベトナムとの全面戦争に突入しました。
 この事件は、1964年ベトナムのトンキン湾の海上で、
アメリカの駆逐艦二隻が北ベトナムの魚雷艇の攻撃を受けたというもので、これをきっかけにアメリカと北ベトナムは全面戦争に突入し、大規模な北爆が開始されました。

 しかし、
4年後の1968年になって、この事件には多くのアメリカによる欺瞞があり、アメリカにより計画的に引き起こされた“事件”である事が明らかになりました。
 まさに
同じ手口が繰り返されています。

令和元年6月26日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ