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日米安保は日本の非武装・軽武装を前提、この前提を維持する限り、アメリカが日本防衛の義務を負うのは当然であり、不平を言うことは許されない。

 6月29日の産経新聞は、「トランプ氏、日米安保条約は『不公平』 破棄は『考えず』」と言う見出しで、次のように報じていました。
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トランプ氏、日米安保条約は「不公平」 破棄は「考えず」
2019.6.29 16:38|国際|国際問題  産経

 トランプ米大統領は29日、大阪市でのG20サミット閉幕後の記者会見で、日米安全保障条約について
「破棄する考えは全くない」と述べ、トランプ氏が破棄する意向を示したとする米ブルームバーグ通信の報道を否定した。ただ、米国が日本の防衛義務を負う一方、日本に米国を守る義務がない同条約の内容を「不公平だ」と指摘した。

 トランプ氏は、こうした日米双方の義務関係について、
「一方的だ」と指摘し、「もし米国が攻撃されたら、日本は私たちを支援すべきだ」と訴えた。

 また、トランプ氏は日本に対し、これらの現状を
「変更する必要がある」と伝えたと明らかにした。28日の安倍晋三首相との首脳会談でこの問題を協議したかには言及しなかった。

 日米安保条約では5条に基づき、日本施政権下で外国からの侵略などの有事が発生した際、
米国が日本を防衛する義務を負う。一方、6条では日本は極東地域の安定に向け米軍に基地を提供することが定められており、日本政府はこのことを理由に「全体としてみれば日米双方の義務のバランスは取られている」(菅義偉官房長官)などと主張してきた。(黒瀬悦成)
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 日米安保体制には、
大前提がある。それは、日本の非武装、あるいは軽武装(専守防衛)、非核などである。

 日米安保の
前提を維持する限り、アメリカが日本防衛の義務を負うのは当然であり、不平を言うことは許されない。

 日本は
自らを守る意志と、能力を欠くものでは決して無い。これらの制約はアメリカが日本に課したものである。
 1990年、在日米海兵隊
ヘンリー・C・スタックポール司令官(少将)は、「もし米軍が撤退したら、日本はすでに相当な能力を持つ軍事力を、さらに強化するだろう。だれも日本の再軍備を望んでいない。だからわれわれ(米軍)は(軍国主義化を防ぐ)瓶の蓋(ふた)なのだ」と言っている(日米安保につきまとう「瓶のふた」論 https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0302S_Z00C12A2000000/)。

 アメリカが制約を続ける限り、
アメリカは日本を防衛するのは当然の義務であり、不平を言うことは許されない。
 もし、アメリカが日本に対して不公平、と言うなら、まず、この
制約を破棄し、日本の重武装を前提とすることが必要だ。
 
 トランプ大統領の言う、
「現状の変更」が何を意味するのか不明であるが、日本の米軍の経費負担増、米国製の高額兵器の購入を意味しているのであれば、日本は警戒する必要がある。

令和元年6月30日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ