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占領軍が作らせた「優生保護法」、“アメリカ”には口を閉ざす訴訟当事者と日本の司法

 5月17日の読売新聞は「強制不妊救済法 周知進め被害の掘り起こしを」と言うタイトルの社説で、次のように論じていました。
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社説 強制不妊救済法 周知進め被害の掘り起こしを
20200517 0500 読売

 旧
優生保護法の下で不妊手術を受けた障害者らに一時金を支給する法律が成立して、1年が過ぎた。被害者の多くは高齢化しているだけに、救済を急ぐべきだ。

 
「不良な子孫の出生防止」を目的とした旧優生保護法は、1948年に施行され、計約2万5000人が手術を受けた。被害者1人当たり320万円の支払いを定めたのが救済法である。

 厚生労働省は、約
1万2000人の被害者が存命している可能性があるとしている。だが、一時金を都道府県や国に申請した人は909人で、支給が認められたのは4月末で533人にとどまる。

 手術を受けた被害者と認定されるまで、
審査に半年以上かかるケースも少なくない。審査にあたる厚労省の有識者委員会には、迅速に救済するという法の趣旨を踏まえた対応が求められる。

 各地の自治体や病院には、約7000人分の不妊手術の記録が残っている。鳥取県は、関連記録が残る21人のうち、6人の生存を確認した。職員が本人や親族に面会して被害を伝えるなど、丁寧な対応で申請につなげた。

 こうした事例を参考に、他の自治体も、プライバシーに配慮しつつ、被害者に対して、確実に通知する方法を探ってほしい。

 ただ、手術記録が残っていない人や、
知的障害などで、自らが受けた被害を認識できていない人も多いとみられる。埋もれている被害をどう掘り起こし救済につなげるかが課題である。

 障害者が生活する施設では、入浴介助などの際に職員が手術痕に気づくケースがあるという。自治体と施設が連携し、情報をもとに
申請を促す必要がある。

 障害者を支える親族ら周囲の人に、救済制度が十分に周知されていない可能性もある。都道府県は、各地の障害者の支援団体や家族会を通じて、申請の手続きについて丁寧に説明してもらいたい。

 
障害者らの名誉と尊厳を著しく踏みにじった施策を二度と繰り返すことのないよう、救済法は国に対して、不妊手術の実態に関する調査を求めた。しかし、いまだに目立った進展はない

 被害者が国に損害賠償を求めた訴訟では、
仙台地裁が昨年5月、旧優生保護法を「違憲」とする司法判断を示している。

 被害から長い年月が経過し、資料の散逸が懸念される。当事者からの聞き取り調査を含む検証作業を急ぎ、
過ちの全体像をつまびらかにしなければならない。
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 読売新聞は「
全体像つまびらかにしなければならない」と言っていますが、優生保護法が施行された1948年の日本は、アメリカの占領下にあり、優生保護法は占領軍の強制により制定された法律です。
 “全体像を”と言うからには、当然
占領軍(アメリカ)の関与(強制)の事実・実態に触れるべきですが、触れていません。なぜでしょうか。

 この記事だけで無く、この一連の“強制不妊手術事件”の議論では、
誰も優生保護法が出来た1948年(昭和23年)当時は、日本はアメリカの占領下であったことや、優生保護法は、日本の人口増加を恐れた占領軍が、日本政府の反対を押し切って、日本人に刑法犯罪である堕胎の合法化を強制した法律であることに触れていません

 そのようなこの
法律成立の背景を考えれば、障害者に対する不妊手術の強制は、堕胎自由化の強制と同様、占領軍が関与(強制)した可能性が高いと見られますが、その点には誰も触れずに、議論は日本政府非難一色となっています。

 この問題(事件)では、
優生保護法が違憲であるか否かが法廷で争われ、違憲の判決が出されたものですが、そもそも日本国憲法は占領軍が作り、占領下の日本に制定(採用)を命じたものであり、ほぼ同時期優生保護法が同じく占領軍の強制により制定されたものであることに鑑みれば、優生保護法を違憲とするのはかなり無理があると思います。

 今回の賠償請求の当事者側の
活動家弁護士等の“反日グループ”が、優生保護法制定の当時は占領下であったこと、優生保護法の制定にはアメリカの強い関与があったことに触れなかったのは、その辺の事情によるのと、それらが明らかになることが、“戦後の民主化”欺瞞虚構崩壊に繋がる事態となるのを恐れたのだと思います。

 いずれにしても当時の日本国は
主権国家ではなかったのであり、占領軍が作った憲法と法律(優生保護法)の合憲・違憲を、現代の日本の司法が議論するのは、無意味で不毛の議論だと思います。

 この優生保護法制定については、2016年02月06日〜09日
産経新聞 東京朝刊 1面の記事「【人口戦】日本の少子化は『人災』だった(上、中、下)」に詳しい経緯が報じられています。

(私のホームページ参照 F93 占領下の「堕胎の合法化・推奨」は、戦争犯罪の視点で見るべき
http://www.kcn.ne.jp/~ca001/F93.html )

 大事な事は、これを機会に
「優生保護法とアメリカ」隠された実態を明らかにすると共に広く知らしめることです。そして未だに隠蔽されている「占領下」の実態を明らかにする端緒とすべきだと思います。

 この事件の
「過ちの全体像をつまびらかにする」のは、「戦後(占領)の闇を明らかにする」事に繋がります。大変結構なことです。読売新聞は自分で言ったことを是非実行して欲しいと思います。

令和2年5月21日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ