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国連の権威を損なう「慰安婦」報告

 8月11日付読売新聞社説「国連の権威を損なう『慰安婦』報告」を読みました。“従軍慰安婦”(本当は“戦地売春婦”とか“戦地慰安婦”と呼ぶべきだと思います)が日本軍によって強制されたものでなかったことは、既に多くの研究者の調査によって明らかになっています。それにもかかわらずこのような報告書が出されることは信じがたい事です。しかし、日本政府が強制を暗に認める談話を発表したり、日本人の(良心的に見える)活動家が熱心に告発するのを見れば、外国人が「慰安婦」を「強制売春」の被害者であると信じ込むのも無理もないと思います。世界の常識として、自国に不利な嘘を世界中に振りまいて歩く人間などいるはずがないからです。ところが日本にはその「いるはずのない人間」がたくさんいるのです。社説にある日本の「詐話師」、「一部マスコミ」や「市民グループ」とは誰のことで、彼らが国際社会に対して、どのような方法で、どのような「偽情報を振りまいてきたか」を是非明らかにしてほしいと思います。この問題は日本の「国内問題」とも言えるのです。「『いるはずのない人間』がなぜ日本にはいるのか」、それを考えることな しにはこの問題の真の解決はありません。

 我々日本人は国際機関というと、安易に権威があるとか無謬であるかのように思いこんでしまいますが、国際捕鯨委員会のでたらめぶりといい、今回の「マクドガル報告」の事実認定のいい加減さといい、決してすべてがそうではなく、世界には日本に対して悪意と偏見を持つ人が少なくないことを、肝に銘じなくてはいけないと思います。
 それにしても、そういう外国人に、こうなることを知りながら、日本国内における自分たちの論理の破綻を認めたくないが為に、嘘を振りまいて歩く日本人を、私たちは何と呼んだらいいのでしょう。

平成10年8月11日    ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る     F目次へ