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「敗戦処理条約」の記念式典

 9月9日のasahi comに日米同盟強化うたう共同声明に署名 講和条約記念式典と言う見出しの次のような記事がありました。

 サンフランシスコ講和条約50周年記念式典が8日午後(日本時間9日午前)、条約調印の舞台となったサンフランシスコ市内のオペラハウスで、田中真紀子外相、パウエル米国務長官らが出席して開かれた。両外相は「日米安全保障条約に基づく同盟関係がアジア太平洋地域の平和と安定の礎となっていることに誇りを持つ」と、日米両国のパートナーシップ強化をうたった共同声明に署名した。


  また、同日付の産経新聞によれば、9月8日、東京都内でも、サンフランシスコ講和条約締結50周年記念式典が開かれ、小泉首相も出席し挨拶したそうです。

 このサンフランシスコ講和条約は、日本が敗戦の結果すべての海外領土と財産を喪失したことを追認すること、日本が第二次世界大戦に関する主張と、敵国に対する請求権をすべて放棄することを条件に独立を回復することを認められた条約です。
 この条約を飲まなければ占領が続くわけですから、止むを得なかったとはいえ、この条約は明らかに「敗戦処理条約」です。

 アメリカにとっては戦争の勝利を条約により明確化したわけですから、記念式典を行うそれなりの意義があると思いますか、敗戦国の日本がそれに付き合うのはばかげていると思います。アメリカにとって記念すべきことと、日本にとって記念すべきことは同じではないのです。
 このような基本的な立場の相違があるにもかかわらず、日本がこの式典を開催し総理大臣が出席したり、アメリカの式典に外務大臣や、宮沢元首相を派遣したことは、「日本国民は敗戦によって幸福になった」という反日日本人の主張と同じ立場に立つもので、日本政府が自国の立場を見失いつつあることを示していると思います。

平成13年9月9日   ご意見・ご感想は  こちらへ     トップへ戻る      目次へ