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結局は「おかしな人達」に屈した小泉首相

 2月18日、アメリカのブッシュ大統領が明治神宮を参拝しましたが、これに同行した小泉首相は、「公式参拝」は憲法違反という批判を恐れて参拝を見合わせ、その間、車中で待機していたとのことです。

 神社の参拝に「公式」、「非公式」の区別があるのか疑問を感じます。それに憲法に「公式参拝」を禁じるという条項があるわけではありません。いつの間にか「公式参拝」という言葉が一人歩きしています。

 総理大臣が神社に行ってはいけないのでしょうか。ブッシュ大統領の「公式参拝」は問題ではないのでしょうか。そもそも、神道と何の関係もないキリスト教徒であるブッシュ大統領が、神社に「参拝」するわけがありません。彼は、祭られている明治天皇に敬意を表しに来たのであって、宗教的な意味合いのある「参拝」をしに来たわけではありません。もし、彼が宗教的な意味のある「参拝」をしたのなら、アメリカで大問題になるはずです。

 明治天皇を追慕したり、敬意を表することは日本人としてごく自然のことであり、一個人としてであろうが、総理大臣としてであろうが、全く問題はないと思います。総理大臣が戦没した将兵を慰霊するために靖国神社を参拝することが、問題にならないのと全く同じ理屈だと思います。小泉首相は靖国神社を参拝するに当たって、国民にそう説明していました。

 総理大臣が神社を訪れることを「公式参拝」と言い、憲法が禁じているという解釈は甚だしい拡大解釈であると思います。日本に現行憲法を強いた張本人であるアメリカの大統領が明治神宮を参拝し、その間、日本の総理大臣が、参拝することがかなわず、車中で待機するなどと言う事態は、現行憲法を墨守することのばかばかしさを端的に表していると思います。

 2月18日の産経新聞の報道に依れば、今回参拝を見送ったのは、「公式参拝になるとの見方があり、行くと必ず違憲訴訟を起こされる」ことを懸念したからだそうです。
 小泉首相は昨年8月13日に靖国神社を参拝したことに対して、韓国人らから違憲として裁判所に訴えられたことに関して、訴えた人達を「おかしな人達」と言いましたが、結局は彼らの思惑通りになってしまったのではないでしょうか。小泉首相には、国民の多数意見を見誤ることなく、自信を持って初志を貫徹してもらいたいと思います。

平成14年2月20日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ