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超「拙速」だった日本国憲法の制定

 11月3日の産経新聞は社説で、「国や主権考え直す好機」と題して、56年前の今日公布された日本国憲法について論じていました。今の憲法は敗戦の余燼が治まらない昭和21年の今日公布された訳ですが、敗戦から1年後に新憲法公布とは今更ながらその拙速ぶりに驚きます。

 国旗・国歌法の制定や、有事法制の制定に反対している朝日新聞などは、反対の理由にいつも審議が不十分で「拙速」であることをあげていますが、国の基本法である憲法の全面改定がわずか1年でなされるとは、その「拙速」ぶりはとても有事法制の審議の比ではありません。しかし彼らの口から、現行憲法の制定が「拙速」であったという批判は聞いたことがありません。

 わが国で敗戦前から、憲法の改定が議論されていたと言うのであればともかく、何の議論もなかったところで、わずか1年の審議で全面改定とは、「超拙速」という他はありません。常識では考えられない制定経過です。今の憲法が占領軍に強いられたものであることは明らかであると思います。

 占領下で占領軍に強いられた憲法が、正当性、合法性に欠けることは言うまでもないことです。現行憲法は占領が終結し日本が独立を回復した時点で、当然失効を宣言されるべきものであったと思います。そのような正当性、合法性に欠ける憲法が、惰性で56年も続いていることが根本的な誤りであると思います。

平成14年11月3日     ご意見・ご感想は こちらへ     トップへ戻る     目次へ