F51
中国にサンフランシスコ講和条約に言及する資格はない

 6月23日の「asahi com」は、「靖国参拝は国際的『約束』に違反、中国大使が発言」という見出しで、次のように報じていました。
http://www.asahi.com/politics/update/0623/008.html
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 中国の王毅(ワン・イー)駐日大使は・・・「日本はA級戦犯を裁いた東京裁判の結果を受け入れ、国際社会に復帰したのに、裁判の正当性に疑問を投げかける動きがある」と述べ、「靖国問題は内政問題の枠を超え、外交問題になっている。日本はこうした国際的な『約束』を再確認する必要がある」と語った。・・・

 靖国神社に代わる新たな追悼施設の建設については「日本人自身がどうすれば近隣諸国と和解できるか、よく考えて判断してほしい」と述べた。
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 王大使は、「約束」などと言う曖昧な言葉でごまかしていますが、「サンフランシスコ講和条約」と、なぜはっきり言わないのでしょうか。

 同講和条約に、「『A級戦犯』の墓を参拝してはいけない」と言う条項はありません。大使の発言は根拠がありません。それに、「戦犯」の墓を参拝するのが、条約違反になるならば、なぜ、それは「A級」に限るのでしょうか。「B・C級」はなぜ不問に付されるのでしょうか。これまた根拠がありません。

 そもそも、中国は(台湾の国民政府も含めて)サンフランシスコ講和条約に参加していないので、この条約に言及する資格はないと思います。韓国も同様です。当事国でない中・韓のみが騒いでいるというのが現在の「靖国」を巡る構図です。条約の当事国が何も言っていないのに、何が「外交問題」なのでしょうか。

 新たな追悼施設について、「日本人自身がよく考えて判断してほしい」と言うのならば、「靖国」についても、無用な口出しは止めて日本人の判断に委ねるべきです。

平成17年6月23日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ