F55
「靖国問題」の真犯人

 8月6日の読売新聞は、靖国神社をめぐる自民党総裁選の論戦について、「靖国参拝をめぐる対立軸」、「安倍氏 中国冷静反応に手応え」と題して、次のように報じていました。
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 ・・・これに対して安倍氏は4月の靖国神社参拝に関する中国などの反応を「非常に抑制されたものだ」(周辺)と受け止めており、、むしろ首相就任後の参拝継続について一定の手応えを感じているようだ。・・・
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 もし、冷静な中国人がいるとすれば、中国が「靖国」にここまでのめり込んでしまったことを後悔していると思います。今までの経緯を振り返ってみれば、中国が反日日本人が撒いた餌にだぼハゼのごとく食いつき、身動きならなくなってしまったことは明らかだと思います。「靖国問題」で彼らが受けたダメージは大きく、メリットは何もありません。「靖国干渉」は中国が打ったどうしようもない外交的「悪手」だと思います。

 一方で、この「靖国問題」で莫大な外交的利益を享受している国があります。それは言うまでもなくアメリカです。「靖国問題」は日中両国を反目させ、日本をして対米依存のやむなきに至らしめるという絶大なメリットがあります。しかも、アメリカは両国の対立を懸念しているフリをして巧妙に沈黙を守っているだけで、何らの外交的な負担もリスクも負っていません。アメリカは小泉首相の靖国参拝を容認するでも、否認するでもなくフリーハンドを維持しています。

 中国だけでなく日本もこの問題では甚大な外交的損失を被っているだけで、何の利益も得ていません。人は自分の利益にかなう行動をし、不利益になる行動は避けるという常識から考えれば、この「靖国問題」で利益を得ているのは誰か、という観点から真犯人を考えるべきだと思います。

 日本国民が「靖国問題」、中でも「A級戦犯合祀問題」で、何の足枷もなく自由に議論できるのであれば、自民党総裁選挙で「靖国問題」を避けて通る必要はなく、むしろ争点にすべきだと思います。しかし、我々はこの問題について自由に議論することが出来ません。もし日本国民が本格的に「A級戦犯について」、「東京裁判の当否について」議論を始めれば、必ずアメリカの介入を招くと思われるからです。
 アメリカの介入を招く恐れがあるが故に、われわれは自由に議論することが出来ず、小泉首相、安倍官房長官の発言は歯切れの悪いものにならざるを得ないのです。そして、これを見越して反日日本人は攻勢を仕掛けているのです。

 アメリカはもちろん、「東京裁判は誤りだった」と言う主張を容認しないでしょう。反日日本人の後ろ盾には、反日日本人の生みの親であるアメリカがついていることを忘れてはならないと思います。
 「靖国問題」で利益を得ているのは誰か、という観点を併せて考えると、「靖国問題」の陰の主役・真犯人は、アメリカと彼らに洗脳された反日日本人であり、中国ではないと考えるべきだと思います。

平成18年8月6日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ