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BC級「戦犯」に関する公開資料を読んで

 BC級「戦犯」に関する裁判記録が公開されました。多くの日本人軍人が捕虜虐待の罪を問われています。しかし、アメリカに日本軍人の罪を問う資格はないと思います。アメリカ、イギリスにも日本人捕虜の虐待、虐殺はありました。しかし、それよりももっと残虐なのは、日本の敗残兵を捕虜にせず文字通り皆殺しにしたことです。日本軍人の捕虜が少ないのは、日本軍人が生きて虜囚の辱めを受けることを潔しとせず、最後の一兵まで抵抗して、自決したからだとよく言われますが、決してそうではなく、負ければ皆殺しにされることが分かっていたから、どうせ生き残れることはないので最後まで抵抗して、最後は自決したのです。

 その事実はアメリカ人の書いた多くの記録の中に見ることができます。大西洋横断に成功したリンドバーク大佐が、南太平洋の激戦地で前線を視察して書いた「リンドバーク第二次大戦日記」には「米軍は日本軍の捕虜や投降者を射殺することしか念頭にない」「海兵隊は日本軍の投降を滅多に受け付けない」「敵を悉く殺し、捕虜にはしないというのが一般的な空気だった」と書かれています。また、太平洋地域担当の従軍記者エドガー・L・ジョーンズは「我々は捕虜を容赦なく撃ち殺し、病院を破壊し、救命ボートを機銃掃射し、敵の民間人を虐待、殺害し、傷ついた敵兵を殺し、未だ息のあるものを他の死体とともに穴に投げ入れ・・・」と書いています。ジョン・ダワー教授の「人種偏見」には「日本の輸送船を沈め、その後一時間以上もかけて何百、何千という生き残り日本兵を銃で撃ち殺したアメリカの潜水艦長は、この虐殺をを公式報告書に記録し、しかも上官から公の賛辞を送られている」と書かれています。連合軍が捕虜を一人もとらずに虐殺した例は枚挙に暇がないのです。(以上ジュピター出版「世界が裁く東京裁判」より)
 我々日本人はBC級「戦犯」が捕虜を虐待したかどうか、裁判が公正に行われたか否かの議論に止まってはいけないと思います。

平成10年6月14日     ご意見・ご感想は   こちらへ      トップへ戻る      F目次へ