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「侵略の定義」について反論せず、中国・韓国をあおって日本を沈黙させるアメリカのマスコミ
(ベトナム戦争がアメリカの侵略であったことに疑いはあるのか)


 アメリカの有力新聞は安倍首相の「侵略の定義」問題について、下記の通り論じていました。(4月27日の「スポニチアネックス」のホームページに掲載された、共同通信配信記事より )http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/04/27/kiji/K20130427005692570.html
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米紙 安倍首相は「自己破壊的」 歴史直視していないと批判

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は26日、安倍晋三首相が「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と述べたことについて、歴史を直視していないと強く批判する社説を掲載、これまでの経済政策などの成果も台無しにしかねないと懸念を示した。

 社説は、日本が韓国や中国を侵略したのは疑いのない事実だと指摘。中韓が内政上の動機から反日感情をあおることがあるとしても、それは「安倍氏が陥った自己破壊的な(歴史の)修正主義を正当化する理由にはならない」とした。

 さらに、戦前の帝国主義への郷愁に浸っているようでは、国内改革を推し進めたり、正当な主張である防衛予算の増額などを隣国に納得させたりすることも困難になると論じた。

 安倍首相の歴史認識をめぐっては、ニューヨーク・タイムズ紙も24日付の社説で、中国や韓国の「敵対心を無謀にあおっているように見える」と批判している。(共同)
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 ワシントン・ポスト紙は、「安倍晋三首相が『侵略の定義は国際的にも定まっていない』」と述べた」ことを批判していますが、批判するのであれば、“侵略の定義”は明確に定まっていて日本の侵略は明らかと言うべきだと思いますが、その点について何も言わず、「隣国に納得させたりすることも困難になる」とか、「中国や韓国の『敵対心を無謀にあおっているように見える』」と言って感情的な非難をしています。

 安倍晋三首相の「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と言う主張に対して反論をせずに、「隣国の納得」とか、「中国や韓国の敵対心」を云々するのは建設的な議論とは言えません。
中国人・韓国人の“敵対心“を煽っているのはむしろワシントン・ポストやニューヨーク・タイムスの方と言うべきです。

 両紙は中国や韓国のことばかり言っていますが、太平洋戦争の最大の戦争当事国であるアメリカ自身との戦争、
日米戦争について、「日本の侵略である」と言う反論はなぜしないのでしょうか。

 「日本が韓国や中国を侵略したのは疑いのない事実」と言っていますが、「侵略」の定義がなくて、どうして日本のしたことを侵略と断定できるのでしょうか。
ベトナム戦争がアメリカの“侵略”であったことには疑いはあるのでしょうか。
 第2次世界大戦で日本は多くの国と交戦しましたが、
日本とソ連の戦争や、日本とオランダ(インドネシア)との戦争、日本とイギリス(インド、ビルマ)の戦争も日本の侵略になるのでしょうか。
 それらを侵略というのなら、欧米列強によるアジア・アフリカの植民地支配を侵略と認めるべきだと思いますが、彼等は決してそれを認めません。

 また、韓国は第2次世界大戦の交戦当事国ではありません。第2次世界大戦とは関係ない日韓併合までも日本の侵略というのなら、なおさら侵略の定義を明らかにした上で論じるべきです。

 アメリカの有力2紙が、安倍首相の提起した「侵略の定義」に何ら反論せず、自国やソ連、イギリス・オランダなどの他の交戦国との“侵略問題”をすべて無視して、
中・韓両国についてのみ感情的に言及したことは、アメリカの意図するところ(中・韓を煽って日本を沈黙させる)が浮き彫りにされていると考えるべきだと思います。

平成25年5月6日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ