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皇室(天皇の葬儀)がどうあるべきかと言うことは、天皇陛下御自身が決めることなのか


 11月15日の読売新聞は、「天皇・皇后の葬儀、火葬に…陵は寄り添う形で」という見出しで、次のように報じていました。
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天皇・皇后の葬儀、火葬に…陵は寄り添う形で
(2013年11月14日21時07分 読売新聞)

 宮内庁は14日、今後の天皇、皇后の葬法の概略と、天皇、皇后両陛下の「お気持ち」を発表した。

 江戸時代初期から続いてきた土葬を改めて400年ぶりに火葬とし、陵(天皇、皇后のお墓)は規模を縮小して天皇陵、皇后陵が寄り添うように一体的に整備する。伝統を踏まえたうえで、国民生活にできるだけ影響がないようにとの両陛下の意向をもとに、同庁が昨年4月から検討していた。

 同庁は、葬儀の場所や詳細などは今後の検討とし、今回の検討内容を内閣に伝えた。国事行為である大喪の礼の内容は、内閣が判断することになる。今回の検討は基本的に両陛下が対象だが、宮内庁は「将来にわたって基準となり得る」としており、皇太子さま、秋篠宮さまも合意されているという。
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 私はこの記事を見て、単純な疑問を感じます。それは、
「皇室(天皇の葬儀)がどうあるべきかと言うことは、天皇陛下御自身がお決めになることなのか」と言うことです。

 一般国民の葬儀であればそれは、本人の意向は尊重されるべきですが、それでもよほどのことがなければ葬儀は遺族の意向で進められるのが普通です。葬られる人本人ではありません。

 天皇陛下の葬儀は元首で有り、日本国家そのものであるとも言える
天皇(皇室)の存在を象徴する重要な儀式であり、簡素、廉価であればいいというものではありません。今上陛下の御一存で400年の伝統を変えていいものでしょうか。一個人の葬儀とは重みが違います。
 「国民生活にできるだけ影響がないように」とありますが、「国民生活への影響」を懸念するのはごく一部の国民です。陛下はごく一部の国民のことしかご存じないのではないでしょうか。

 さらに、今まで検討の経過が何ら国民に知らされることなく、突然、「陛下のお気持ち」が知らされることに不信の念を抱きます。仮に陛下のお気持ちである事に相違ないとしても、陛下のお気持ちだけで決めていいことではないと思うし、
宮内庁が昨年4月から検討中の途中経過を何も公表せず、「問答無用とばかりに決定を公表したことに対して不信が募ります。

平成25年11月15日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ