F84
慰安婦問題とアメリカの関与


 3月28日の産経新聞は、「群馬『正論』懇話会 西尾幹二氏が講演 『談話見直し否定 
米の影響』」と言う見出しで、次のように報じていました。
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群馬「正論」懇話会 西尾幹二氏が講演 「談話見直し否定 米の影響」

 群馬「正論」懇話会の第33回講演会が27日、前橋市の前橋商工会議所会館で開かれ、評論家の西尾幹二氏が「歴史の自由を取り戻せ」と題して講演した。

 西尾氏は、第二次世界大戦を戦った日本を「欧米列強の侵略を免れた唯一の国」とし、「欧米は侵略に『NO』を突きつけた日本を『悪』と決めつけた」と主張。「今もその流れは続いている」と自身の歴史認識を示した。

 安倍晋三首相が平成5年の「河野洋平官房長官談話」の見直しを否定したことについて「アメリカの影響があった」とし、「アメリカは中国と韓国を利用して、自らが築き上げた戦後秩序を何としても守ろうとしている」と主張。「米政府は首相の靖国神社参拝に『失望』を表明したが、日本政府も中国の民主化に熱心でない米政府に失望したというべきだ」と訴えた。
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 西尾氏が日韓、日中の歴史認識問題で、
アメリカの関与を指摘したのはもっともな指摘だと思います。私は今まで新聞記事で、これほど明確に日中・日韓の問題に対するアメリカの関与を指摘した記事を見たことがありません。

 
慰安婦、靖国などの“懸案”に対して、アメリカの関与は非常に巧妙な方法を採っています。まず、この問題に対しては、アメリカ政府よりも、議会決議をしたり議員が発言をしたり日本を非難・批判することが多く、アメリカ政府は直接日本を批判することを避けています。アメリカ政府が表明するときも、それは報道官の発表がほとんどで、当局者自身が表明することはほとんどありません。

 議会・議員は問題の
本質(慰安婦に強制があったか、日本軍の関与があったか。靖国参拝は戦犯崇拝か、そもそも彼等は犯罪者か)に対しては見解・立場を明らかにせず、理屈抜きで問答無用の日本非難を繰り返します。

 アメリカ政府も議会・議員同様問題の
本質に対しては見解・立場を明らかにせず、日本と中国、日本と韓国の関係悪化に対して憂慮を表明するという形を取ります。

 そして、その憂慮の表明は日本に対してなされることがほとんどです。2国間の関係悪化であれば、その原因がどちらかにあるか(または双方にあるか)をまず問題とすべきですが、中国、韓国の言動に対して憂慮が表明されることはなく、
憂慮の表明はいつも日本に対してなされます。

 アメリカ政府は
靖国参拝そのものを非難したことはありません。従軍慰安婦が強制だったと言ったこともありません。肝心な点についてはいつでも言い逃れが出来る余地を残して日本を非難しています。

平成26年6月12日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ