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韓国は決して「過去好き」なのではない −日韓関係に関するアメリカの関与(意図)に疑いの目を−

 4月16日の産経新聞は、「【阿比留瑠比の極言御免】「過去好き」韓国は疲れる国」と言う見出しで、次のように報じていました。
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【阿比留瑠比の極言御免】「過去好き」韓国は疲れる国

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損(きそん)で在宅起訴された同僚の加藤達也前ソウル支局長の出国禁止措置が、やっと解かれた。8カ月ぶりに帰国した加藤記者は15日、安倍晋三首相に官邸へと招かれて励ましを受けた。まずはほっとした。
 今回の韓国政府の措置については、米国の圧力もあって韓国が対日関係に一定の配慮を示したものだと指摘される。とはいえ、これで日韓間に雪解けムードが漂うかというと、おそらくそうはならない。

 ◆「成熟期待したが…」

 韓国側が、対日姿勢を抜本的に改めでもしない限り、日韓関係が劇的によくなることはありえない。それほど日本側は、韓国という国に「相当くたびれた」(自民党の高村正彦副総裁)状態にある。安倍首相自身もかつて周囲に「韓国には疲れる」と漏らしていた。

 政府・与党関係者だけでなく民間もそうなのだ。先月17日、日本外国特派員協会での慰安婦問題に関する討論会で、元慰安婦に償い金を支給したアジア女性基金の元理事、大沼保昭・明治大特任教授が語った言葉を紹介したい。

 大沼氏は、外国通信社記者の「なぜ70年もたつのにいまだにこの問題がくすぶっているのか」という質問に、次のように答えた。

 「日本の首相は繰り返し謝罪しているが、十分に評価されていない。日本の努力は韓国で評価されず、日本側に失望が深まった」

 「韓国の市民社会の成熟には、もうちょっと期待していた。日本が誠実に謝罪すれば評価してくれるだろうと期待していたが、残念ながらそうはならなかった。それが日本側の『謝罪疲れ』をもたらした」

 大沼氏の思いは、多くの日本人の気持ちを代弁している。だからこそ、内閣府が昨年12月に公表した外交に関する世論調査で、韓国に「親しみを感じない」との回答が、過去最高の66・4%に達したのだろう。

 ◆「千年の時流れても」

 「加害者と被害者という立場は千年の時が流れても変わらない」

 朴氏が一昨年3月に演説でこう述べたときには、この先千年たっても謝罪を求められるのかとうんざりした。ただこの発言には以前、意見を交わした韓国の知日派学者らも一様に「あれは言い過ぎだった」と顔をしかめていたため、ちょっと安心していた。

 ところが韓国の聯合ニュースによると、韓国外務省高官は今月3日、こう述べたのだという。朴氏の言葉と符合し、やっぱりかとがっかりさせられた。

 「加害者というのは、謝罪を百回しても当然ではないか。何回わびようが関係ない」

 また、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は2日、米民主党のペロシ下院院内総務と会談した際、慰安婦問題で日本に謝罪を求めた
2007年の米下院決議について「執務室に決議案の複写版を持っている」と語ったとされる。

 このほか韓国は、安倍首相が29日に米上下両院合同会議で演説することにも筋違いに口をはさみ、6日に検定合格した中学校教科書に「任那日本府」が記載されたことには李完九(イ・ワング)首相自ら反発してみせた。

 「こんなに『過去』あるいは『歴史』が好きな民族は世界にも珍しいのではないか。(中略)しかもその執着は多くの場合、『過去』を暴いて他者を糾弾するというかたちをとる」

 黒田勝弘・産経ソウル駐在客員論説委員が月刊「諸君」(平成4年10月号)にこう書いた22年以上前から、韓国社会に成熟が進んだ様子がみられないのが残念だ。(政治部編集委員)

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 記事は韓国の反日を評して、「過去好き」と言っていますが、韓国が好きな「過去」は日本との過去だけであって、朝鮮戦争の過去も、ベトナム戦争の過去も好きではないようです。それ以前の長きにわたる中国の支配下にあった「過去」も決して好きとは言えません。韓国を「過去好き」と評するのは的を射た評価ではありません。

 韓国人が過去にこだわるのは、日本の悪口を言って貶めることが目的です。彼等にはそれが唯一の生きがいなのです。韓国には誇るべき事が何もありませんから、することと言えば他国(日本)を貶めて、歪んだ形で心の慰めを得るしか、心の安らぎを得る方法がないのです。

 日本を貶めてその反射的効果として、おのれが光り輝くような錯覚に陥りたいのです。しかし、錯覚はあくまで錯覚でしかありません。それは希望を持てない人間が幻覚を求めて覚醒剤に手を染めるのと同じことです。韓国人にとって
反日は覚醒剤のようなものなのです。

 それでは韓国人はなぜ覚醒剤を必要とするほど、心の病を患っているのでしょうか。民族性の問題もありますが、記事にも韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が、「慰安婦問題で日本に謝罪を求めた2007年の米下院決議」に触れたことが書かれているとおり、
アメリカの執拗で巧妙な関与が大きな問題だと思います。韓国人の心が歪んでいる原因としてアメリカの関与を考えなければならないと思います。

 
たとえアメリカの意図がどうであれ、アメリカの関与は、それが双方あるいはどちらか一方に対する単なる「懸念の表明」という形であったとしても、日韓双方の反目を沈静化するのとは正反対に作用する結果に終わっているのが現実です。また、仮にアメリカにとっては意図せざる結果であったとしても、日韓の反目がアメリカにとってデメリットだけではない(両国で反米が減少して親米が増加するというのも現実です。現実は直視しなければなりません。そして、そうなることが分かっていながら、「懸念の表明」を繰り返すアメリカの意図に対して疑いの目を向けることが、真の問題解決に繋がるものと思います。

平成27年4月18日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ