G28
青森の女子中学生いじめ自殺事件の報道に見る、進行する学校の荒廃とやる気の無い警察とマスコミ


 8月30日のNHKニュースと、産経新聞の記事は次のように報じていました。
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中2女子生徒死亡 「いじめないで」スマホに遺書
8月30日 4時45分 NHK

中2女子生徒死亡 「いじめないで」スマホに遺書

 今月25日、青森市の中学2年生の女子生徒が列車にはねられて死亡し、生徒のスマートフォンに「もう、二度といじめたりしないでください」などとする遺書が書き残されていたことが、
生徒の親への取材でわかりました。警察は、いじめによる自殺の可能性もあるとみて調べています。

 今月25日、青森県藤崎町のJR奥羽線の北常盤駅で、青森市の中学2年生の女子生徒が列車にはねられて死亡しました。
 女子生徒の親によりますと、生徒が身につけていたスマートフォンには、亡くなった当日の日付で「ストレスでもう生きていけそうにないです」、
「もう、二度といじめたりしないでください」などとする遺書が書き残されていたということです。この中には、いじめをしたとする複数の人の名前も書かれていたということです。
捜査関係者によりますと、
警察もこの内容を把握しているということで、いじめによる自殺の可能性もあるとみて調べています。
 また、生徒が通っていた中学校も今後、いじめがなかったか、調査を進める方針です。
女子生徒の祖父は「学校に対し不満はないが、二度とこういうことが起きないよう背景を調べてほしい」と話していました。
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 NHKは遺書の内容を報じていませんが、8月30日の産経新聞は下記のように報じています。
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青森中2死亡 父親が公開した遺書  (8月30日産経新聞)

 □「いじめてきたやつら、自分でわかると思います」
 父親が公開した女子生徒の遺書の内容は次の通り。(原文のまま。■部分は黒塗り)

 遺書

 突然でごめんなさい。ストレスでもう生きていけそうにないです。

 ■が弱いのは自分自身でも分かってるし、■が悪い所もあったのは知ってるけど、流石にもう耐えられません。東京いって全国でまた皆で優勝したかったけど、行けなくてごめんなさい。だから7人で、優勝してください。■も頑張ってね。

 学校生活も散々だし、それでストレスたまって起立性なったのに、仮病とかいう人が沢山いて、説明しても、あまり信じてくれなかった。

 1、2年の時で■の噂流したりそれを信じたり
いじめてきたやつら、自分でわかると思います。もう、二度といじめたりしないでください。

 
(中略)

 家族へ。先立つ不幸を許してください。もう無理です。特別虐待があったわけでもない(中略)

 文章めちゃくちゃでごめんなさい。

 みんなに迷惑かけるし、悲しむ人も居ないかもしれないくらい生きる価値本当にないし、綺麗な死に方すらできないけど、楽しい時もありました。本当に13年間ありがとうございました。いつか、来世ででも■が幸せな生活をおくれる人になれるまで、さようなら。また、会おうね。

 2016年8月25日木曜日 
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 現段階で、いじめによる自殺と
「断定した」という言葉は使えないとしても、遺書がある以上、その遺書が偽造でも無い限り、「いじめによる自殺と見る」のが常識だと思います。いじめはないのに“被害妄想で自殺した”という例はないと思います。

 善意に考えれば警察は慎重を期しているという見方も出来ると思いますが、聞く者にとっては
「いじめによる自殺の可能性ある」という発表は「消極的」としか感じられません。出来れば“単なる自殺”ですませたいのではないかと勘ぐりたくなります。自殺した子供の両親にとってはもちろん、視聴者にとっても耐えがたいところだと思います。いじめは場合によっては、脅迫、強要など犯罪となる場合もあるのです。

 そしてNHKは
学校については、「中学校も今後、いじめがなかったか、調査を進める方針です」とあるだけで、学校関係者(担任教師、校長)などに対して、いじめを知っていたのか知らなかったのか、知っていたとすればどのような実態を把握しているのか等の具体的な確認をしたのかどうか、何も報じていません。いじめの有無は最大のポイントなのに、ジャーナリストとしての“やる気”が全く感じられません。
 このような場合、放送記者は近所の人たちにインタビューして、「きちんと挨拶する子だった」等というどうでも良いような、事件の本質と関係ないことを報道することが通例ですが、それでは報道に携わる者としての役割を果たしていないと思います。そしてそれはNHKだけの問題ではありません。

 なぜ日本のマスコミはそうなのでしょうか。直接の理由は彼等の
“盟友”である日教組、教職員、公務員に対する気遣いだと思います。そして、この問題を深く掘り下げていけば、占領下の教育改革(教職員労組の結成、教育の中立等)、公務員制度の改革(公務員労組の結成等)の弊害問題に行き着くからだと思います。占領軍にしっぽを振った日本のマスコミにとって、それは今なお触れてはならないタブーなのだと思います。

平成28年8月31日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ