G29
「原発避難いじめ」 “教育現場”は何をしているのだろうか −「心のケア、専門のカウンセラー」と言うだけ−
3月10日のNHKニュースは、「“原発避難いじめ” 今月から実態調査 文科省」というタイトルで、次のように報じていました。
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“原発避難いじめ” 今月から実態調査 文科省
3月10日 10時23分 NHK
松野文部科学大臣は記者会見で、原発事故で避難している児童や生徒へのいじめが相次いでいることを受けて、現状を把握するため、今月からいじめの実態調査を始めることを明らかにしました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、福島県から避難している児童や生徒が、転校先でいじめを受けていたことが相次いで明らかになったことから、文部科学省は去年12月に、全国の教育委員会などを通じて、各地の学校で、いじめが起きていないか確認するよう通知を出しました。
こうした中、松野文部科学大臣は、東日本大震災から11日で6年となるのを前に、閣議のあとの記者会見で、「いまだ、ふるさとに帰れず、不安の中で過ごしている被災児童や生徒に対し、深刻ないじめが起きたことは大変遺憾だ」と述べました。そのうえで、松野大臣は、「今年度末に向けて状況を把握し、偏見や差別に基づく被災児童や生徒へのいじめの防止に努めたい」と述べ、今月からいじめの実態調査を始めることを明らかにしました。
文部科学省は、これまでに確認されたいじめの件数や内容、現在、いじめが疑われる事案、それに学校の対応などを調査して公表することにしています。
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記事の「いじめが相次いでいることを受けて、現状を把握するため、今月からいじめの実態調査を始めることを明らかにしました」と言うところから考えられることは、深刻な事態であるにもかかわらず、いじめの実態が現場である学校から、担任教師→校長→教育委員会→文科省という本来のラインから報告がなされておらず、文科省・政治家が実態を把握できていないことを意味していると思います。
これは重大な問題ではないでしょうか。なぜこんなことになってしまったのでしょうか。
まず、ラインの最末端である担任教師はいじめの実態を知らず、何も把握出来ていないのでしょうか。それとも知っていて把握しているのに、必要な対応をせず(あるいは出来ず)、知らない振りをして放置し、報告を怠っているのでしょうか。いずれであっても教師としての資質を欠いている疑いが濃厚です。
“左巻き”の教師や教育評論家・新聞(放送)記者などは、学校の問題・教育の問題について、政治家が学校や教師を批判したり、文科省が指示を出したりすると、“教育現場”を無視したものと言って反発したり、“教育現場”の意見を尊重しろというようなことを言うのが常ですが、果たして“現場”の彼等は現場の実情(例えばいじめの実態)を把握しているのでしょうか。知っていたとしても、的確な対応が出来ているのでしょうか。大変疑問です。
彼等は「いじめに対しては心のケアが必要である」とか、「専門のカウンセラーを置く必要がある」などの単なる対症療法の提案をするのが、せいぜいではないのでしょうか。
平成29年3月11日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ