G58
埼玉県における男女共同参画組織による男女別学高校廃止の動きと、これに反対する生徒達の多数意見 -これを報じる読売の虚偽報道-

 5月31日の読賣新聞が、「埼玉県立の男女別学12高校共学化、各校で「反対多数」…熊谷高は「大多数が反対予想」とアンケート実施せず」と言う見出しで、下記の報道をしていたことを最近知りました。
 アンケートの内容・詳細は埼玉県のホームページで確認しました。
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埼玉県立の男女別学12高校共学化、各校で「反対多数」…熊谷高は「大多数が反対予想」とアンケート実施せず
2024/05/31 08:05  読売

 埼玉県の県立高の共学化を「早期に実現すべきだ」とする県の第三者機関からの勧告を巡り、男女別学高全12校の保護者代表が30日、各校で集めた意見を大野知事と日吉亨・県教育長宛てに提出した。共学化の賛否を尋ねたアンケートでは、各校とも6割弱から9割「反対」とした。

 反対意見の割合が高かったのは浦和高(93・5%)浦和一女高(90・6%)、川越女子高(88%など。「男女間の役割分担がなくリーダーシップが育成されやすい」などの声が寄せられたという。一方、「時代の流れに合わせるべきだ」と、共学化に賛成する声もあったという。

 熊谷高では「反対が大多数を占めることが予想される」との保護者代表の意見に基づき、アンケートを行わなかった

 意見書を提出した浦和高生の父親(46)は、自身の息子も共学化に反対の立場といい「子どもの背中を押してあげたいという保護者の思いをくみ取ってほしい」と訴えた。

 県教育委員会は勧告に対する措置の報告を、8月末までに行うよう求められている。
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埼玉県立の男女別学校に関するアンケート結果
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/255731/saitamakennirtunodannjyobetugakkounikannsuruanke-tokekka.pdf 

⑴ 「埼玉県立の男女別学校に関するアンケート」の概要
ア アンケート趣旨
埼玉県男女共同参画苦情処理委員からの勧告に対する報告内容についての検討の際の参考とするため、埼玉県立の男女別学校12校の「男女共学化」、「男女別学の維持」等の意見を把握することを目的としたもの。

イ アンケート対象
県内に在住又は在学の中学生及び高校生とその保護者

ウ アンケート期間
令和6年4月17日(水曜日)から5月17日(金曜日)まで
※令和6年4月17日(水曜日)から4月19日(金曜日)午前11時までは記名なしで回答
令和6年4月19日(金曜日)午後6時以降は記名の上で回答

エ 回 答 方 法
Web上のアンケートフォームで回答

オ 集計回 答 件 数

(記名あり)64,829件 ※実際の回答件数の92.0%
(内訳)中学生 24,343件
    高校生 7,286件
    中学生保護者 15,790件
    高校生保護者 17,410件

(記名なし)8,157件
(内訳)中学生 77件
    高校生 3,165件
    中学生保護者 509件
    高校生保護者 4,406件

※集計回答件数は、実際の回答件数から姓名の入力がなかったなどの回答5,642件を除いた数
※実際の回答件数は、(記名あり)70,471件
(内訳)中学生 25,825件
    高校生 8,071件
    中学生保護者 17,420件
    高校生保護者 19,155件

(中略)

高校生
(10)県立の男女別学校12校の在り方について選んでください。

G58-2


G58-3


    
(以下略)
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 埼玉県の高校生の多数が、男女共学の強制(埼玉県男女共同参画苦情処理委員から「埼玉県立高校において、共学化が早期に実現されるべきである」との趣旨の勧告)に反対して、男女別学の維持、共学との併存に賛成しています。

 まず注目すべきことは、埼玉県では「男女共学」は既に実現されており、併せて「男女別学」も実現されており、選択の自由が確保されている状況だと言う事です。

 その埼玉県に対して、埼玉県男女共同参画苦情処理委員が改善(男女共学)を求めていますが、「男女共学」とは総ての学校共学校化する(男女別学禁止する)という意味ではありません。それは逆に選択の自由の侵害です。

 一例として奈良県では基本的に各都道府県に最低1校ずつ設置されている国立総合大学は「奈良女子大学」1校だけで、当然の事として奈良県の男子高校生は県内の国立大学を受験できず、近隣の大阪大学などを受験するほかはありません。しかし、この点について「男女共同参画〇〇」が、異議を唱えたという話は聞いたことが有りませんし、男子学生女子大に願書を出そうとしたが、受理されなかったという話も聞きません。

 一方今回きっかけになった女子生徒共学を望んでいるにもかかわらず、数ある共学を目指さず敢えて男子校を志願して、当然の事として拒否されたものですが、共学校が多数あるにも拘わらず、男子校を選択する行為は、他意あるものと考えるほかはなく、悪質な他意が排除されるのは当然の事です。これを受け入れる組織(埼玉県男女共同参画苦情処理委員)は総ての学校に共学を強制して、男女別を望む生徒や両親の願いを排除せんとする者で到底受け入れられるものではありません。

 このような多数の意見を無視する組織・有識者暴走はこの問題に限りません。
 少子化対策として実施される施策の経済的な恩恵は、ほとんどの対象が共働きの妻に限られ、専業主婦には何の恩恵もないものがほとんどですが、これについて今回の様な多数の国民のアンケートが実施されたことがあったのでしょうか。私は寡聞にして聞いたことが有りませんし、新聞の報道でも見たことがありません。

 今回の読売の報道でも、共学に賛成・反対の理由を問うアンケートの中で、反対の理由として報じられているのは、
④「男女間の役割分担がなくリーダーシップが育成されやすい」だけですが、この「理由」はアンケートで示された理由の中では回答者が多い方から数えて5番目の意見で、この記事で報じられた唯一の反対意見です。

 そして一番多い反対理由である
①「男女共学校・男女別学校の両方を選択できる方がよいから」以下
⑤「共学化すると、伝統の尊重や校風の維持ができなくなるから 」、
⑥「学校生活を安心して過ごせるような友人ができる、または、居場所があるから」は記事で報じられていません。
 これでは
虚偽報道と言って良いと思います。
 
 今回の報道が教えることは、官・マス(役所、マスコミ)の組織、有識者の見解・意見は、国民の多数意見を反映していないという事です。これは“有識者”等が選任される経緯や、民間テレビ・ラジオ放送の許認可行政、宅配紙新聞市場が健全な自由競争の市場ではないこと等を考えればよく分かる事です。

令和6年8月24日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ