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自衛隊員は無料で使える“便利屋”ではない −災害時の緊急対応に姿を見せない公務員−
12月18日のNHKのテレビニュースは、「新潟 関越道上り立往生続く 依然およそ1000台か 大雪の影響」と言うタイトルで、次の様に報じていました。
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新潟 関越道上り立往生続く 依然およそ1000台か 大雪の影響
2020年12月18日 15時02分 NHK
大雪の影響で16日から車の立往生が続いた新潟県内の関越自動車道では、下りの立往生は18日朝、解消されましたが、上りでは今も立往生が続いています。東日本高速道路は朝の時点で立往生しているのは68台と説明していましたが、その後トンネルなどに待避していた車を確認したところ、およそ1000台が立往生しているとみられることが分かり、解消に向け作業を急いでいます。
東日本高速道路や警察によりますと、新潟県内の関越自動車道は大雪の影響で16日午後から多数の車が立往生し、その距離は上り・下りともに最大で15キロに達しました。
その後重機で除雪作業などが進められ、18日午前6時ごろ下りの立往生は解消されました。
一方、上りでは立往生が続いていて、東日本高速道路は午前7時の段階で68台が立往生していると説明していましたが、その後、確認を進めたところ、依然としておよそ1000台が立往生しているとみられることが分かったということです。
東日本高速道路によりますと、六日町トンネルなどに待避していた車を把握できていなかったということです。
一方、消防によりますと、この長時間の立往生で体調を崩したという通報も複数寄せられ、これまでに3人が搬送されたということです。
立往生が続く上りでは東日本高速道路と陸上自衛隊がおにぎりやパンなどの食料やガソリン、それに毛布などをドライバーに配っています。
当初の見込みより立往生している車が多かったことを受けて新潟県は食料を増やすなど対応を進めています。
東日本高速道路は自衛隊や警察などと連携し、立往生の解消に向けた作業を急いでいます。
(以下略)
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今回も自衛隊員が、迅速に対応している様子が報じられていますが、県は食料などの支援物資を用意(調達)するだけで、実際に配布するのは自分たちのする事ではないと思っているのでしょうか。本来はそうではないと思います。
今回は人命に関わる事態ではないし、道路上の停車している車両に食料・燃料を配給するだけなら、危険が伴うわけでも特殊技能が必要でも無く、県の一般の職員(市町村職員)でも十分対応は可能だと思います。
県・市町村の職員だけでは手が足りないから、応援を求めるというなら分かりますが、自分たちの仕事は物資の調達までで、現場での配給・配布は自分たちではなく、自衛隊員の仕事だと思っているなら、それは間違いだと思います。
今回に限らず、近年は台風・地震などの災害時に、現場で“活躍”しているのは、ほとんどが自衛隊員とボランティアだけで、自治体職員の姿が映し出されることはほとんどありません。たまに見られるのは、「罹災証明書」発行手続きに関係するものだけです。
彼らにしてみれば、そういう仕事は本来の自分たちの業務範囲ではないと言うのかもしれませんが、自然災害などの緊急非常事態には、職務上の範囲にかかわらず、日常の仕事よりも優先して全員で当たらなければなりません。自衛隊員を安易に動員する前に自分たちで出来る事は自分たちでするべきです。自衛隊員の動員は、自分たちだけでは手に負えない事態に限るべきだと思います。
官公労組が自分たちの仕事ではないと主張しているのでしょうか。あるいは近年女性公務員が増加していることも一因でしょうか。ここにも役所・公務員の劣化を感じさせるものがあります。
令和2年12月19日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ