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日本社会のモラルの低下を示す、コロナに便乗して終電を繰り上げるJR他の鉄道会社、乗客はそれに合わせて生活様式を変えろと言うNHK

 日本社会のモラルの低下を示す、
コロナに便乗して終電を繰り上げるJR他の鉄道会社、乗客はそれに合わせて生活様式を変えろと言うNHKと、消費者の不利益に何も言わない監督官庁とマスコミ各社

 3月13日のNHKのテレビニュースは、「首都圏 関西圏JRや私鉄 今夜から終電時刻を繰り上げ」というタイトルで、次の様に報じていました。
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首都圏 関西圏JRや私鉄 今夜から終電時刻を繰り上げ
2021年3月13日 6時30分  NHK



 首都圏や関西圏などのJRや私鉄各社は、
新型コロナウイルスの影響で深夜の利用客が減っていることや線路の点検を行う作業員の労働環境を改善することを理由に、ダイヤ改正に合わせて13日夜から最終電車の時刻を繰り上げます。

 このうち首都圏では、
JR東日本が高崎線や青梅線で、最終電車の時刻を最大37分早めるのをはじめ、山手線や中央線など合わせて18の路線で繰り上げます。

 また、
私鉄大手では、東京メトロ、西武鉄道、東武鉄道、京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、相模鉄道の7社が13日夜から終電を繰り上げ、京急電鉄と京成電鉄は今月27日から実施します。

 一方、関西圏では、
JR西日本が関西エリアの12路線で10分から30分程度、阪急電鉄と阪神電鉄も10分から30分程度、繰り上げるということです。

 終電を繰り上げる理由について鉄道各社は、
新型コロナウイルスの影響で特に深夜帯の利用客が減っていることや終電後に線路の保守や点検を行う作業員の労働環境を改善するためだとしています。

 首都圏では、およそ半世紀ぶりに終電の時刻が大きく変わることになり、
生活様式も変わるきっかけになりそうです。
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 「
新型コロナウイルスの影響で深夜の利用客が減っていること」を主たる理由としている以上、コロナが終息したら元に戻すのが当然ですが、なぜそうではないのでしょうか。

 深夜の乗客が減少するのは、
緊急事態宣言の下で、国や都道府県が飲食店などの営業時間の短縮を求めているのですから当然ですが、宣言が解除されその他の規制が解除されれば、当然元に戻るはずですし、飲食店、観光関連事業者などはそうなることを切望しているはずです。彼らは“生活様式が変わる”ことに強く反対するでしょう。

 それにも拘わらずコロナが終息しても、元には戻さないというのは、「コロナ云々」は
単なる便乗のための口実に過ぎず、本当の目的は「作業員の労働環境」と、それを口実にした「コスト低減策」と考えられます。そうであればそれらの判断は各企業の経営判断で行われるべきで、各社一斉は問題です。

 さらに、それはあくまで「
自由競争が実現している業界(市場)」に於いて言えることで、自由な競争市場で無く許認可業界で、しかも各社一斉にと言う事になれば、当然消費者利益が損なわれることが無いかと言う視点での議論・チェックが為されなければなりません。

 しかるに
NHKはその議論をすること無く、国民(消費者)に鉄道業者の都合に合わせた「生活様式の変更」を求めていますが、これは「本末転倒」です。

 コロナ対策を
口実として、業界各社が一斉消費者の不利益となる行為を実施するのは、独占禁止法上の問題として認識すべきと思われますが、マスコミ各社にはその認識はなく、監督官庁である公正取引委員会国土交通省の動きも何も報じられていません。

 単なる便乗、他人の幸事に便乗ならまだしも、社会の
不幸な出来事に便乗しているにも拘わらず、それをごまかし私利私欲の拡大を図るのは、最低の所業と言わざるを得ません。日本社会の(特にJRNHKなどの親方日の丸系の人達の)モラルの低下に暗澹たる思いを禁じ得ません。

令和3年3月17日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ