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コロナ拡大による、病床ひっ迫、“自宅療養”問題から逃げ出し、小学校の通学路安全問題に隠れる菅総理

 8月4日のNHKテレビニュースは、「“
自宅療養を基本 病床確保する必要 理解を” 田村厚労相」と言うタイトルで、次の様に報じていました、
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“自宅療養を基本 病床確保する必要 理解を” 田村厚労相
2021年8月4日 12時24分 NHK

 
重症患者などを除き自宅療養を基本とするとした政府の方針をめぐり、田村厚生労働大臣は、衆議院厚生労働委員会で、感染状況が急激に悪化する中、重症化リスクの高い患者などに対応するため病床を確保する必要があるとして、対応に理解を求めました。


 新型コロナウイルスの医療提供体制をめぐり、政府は、
入院は重症患者や重症化リスクの高い人に重点化する一方、それ以外の人は自宅療養を基本とし、健康観察を強化するなどとした方針を取りまとめました。

 田村厚生労働大臣は、4日開かれた衆議院厚生労働委員会の閉会中審査で「中等症の患者にもいろんな人がいるが、呼吸管理されている人を入院させず、自宅に戻すということはありえない。医療現場も十分に認識しており、きのう
医療関係者と菅総理大臣との会談でも、はっきりと申し上げた」と述べました。

 そのうえで「フェーズが変わってきており、関西での
4月、5月の急激な感染増加では、本来は病院に入らなければいけない人が『ベッドがない』ということで対応できないという問題があった。一定程度、ベッドに余裕がないと、そういう人たちを急きょ搬送できないので、重症化リスクの比較的低い人に関しては、在宅で対応することを、先手先手で打ち出させていただいた」と述べました。

 また、政府の分科会の
尾身茂会長は「自宅療養で軽症や無症状の人も重症化するリスクがあるので、すぐに医療に結び付けるようなシステムとして、医療機関、宿泊施設、自宅といった3点の総合的な対策が必要だ。『在宅にするか医療機関か』という議論は、問題をやや単純化している」と述べました。



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 新型コロナの感染者再拡大に伴う、政府のコロナ医療対策として、
重症者以外は入院させず自宅療養を基本とすると言う事ですが、入院の要否は医学的な基準に基づき、それに従うべきであり、それ以外の理由で医療上の根拠無く入院をさせずに自宅療養とするのは基本的に誤りです。

 医療は
患者中心であるべきであり、行政にはそれを満たすことが求められます。「病床確保」とは病床の増設であり、患者を追い出す(追い返す)ことではない筈です。医療のひっ迫が予想される事態であれば、それに備えて医療体制の充実を図るべきであり、医療設備の現状に合わせて、入院の要否の基準を変えるのは本末転倒です。田村厚労相の説明は、何やら、病院の為の“病床確保”であるかのように聞こえてきます。

 昨年初めに新型コロナの急拡大が始まって以来、1年半以上経過しており、対応する
時間的余裕は十分あったと言えます。それにも拘わらず病床不足を招来し、入院が必要な患者に自宅療養を求めるのは行政の怠慢以外の何物でも無いとおもいます。

 費用の点で考えても、昨年の感染拡大初期に、
全国民に一人10万円(総額12兆円)を給付した無駄遣いの金額を当てれば、病床の拡大は十分可能であったと言えます。現にアメリカでも中国でも初期の段階で、非常事態として仮設の病室を急造して病床を急拡大しています。しかるに日本ではそういう動きが全くありませんでした。

 簡単に
自宅療養と言いますが、自宅の広さ間取り家族構成等を考えれば、有意義な自宅療養が可能な患者は少数に留まります。自宅療養は体の良い“放置”でしかありません。仮に自宅療養が可能であっても、それは家族間の感染を引き起こす恐れがあります。

 このような事態に当たって、本来
菅総理は国会に出席して、田村厚労相任せで無く、自ら今回の事態について答弁に当たるべきであるにも拘わらず、下記のニュースが報じるように、その時菅総理は首相官邸で、別の会議を開いておりました。
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菅首相 “通学路点検 10月末めど対策とりまとめ速やかに実施”
2021年8月4日 12時01分  NHK


 千葉県八街市で
小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、児童5人が死傷した事故を受けて菅総理大臣は、通学路の点検を行ったうえで、10月末をめどに対策をとりまとめ、速やかに実施する考えを示しました。

 政府は、ことし6月に千葉県八街市で起きた事故を受けて、4日、
総理大臣官邸で、関係閣僚会議を開きました。

 この中で、菅総理大臣は、
全国1万9000校の公立小学校の通学路を対象に、危険な箇所だけでなく、見通しのよい道路や、抜け道となっていて車の速度が上がりやすい箇所なども含め、来月までをめど点検を行う方針を示しました。

 そのうえで「速度規制や登下校の時間帯に限った
車両通行止めなどのソフト面と、ガードレールなどの整備によるハード面を組み合わせた効果的な対策を10月末をめどに作成し、速やかに実施する」と述べました。
 また、
飲酒運転の根絶に向けて、取り締まりの強化に加え、すべての事業者に対し、安全運転管理者を置くよう改めて徹底する考えを示しました。



 そして
総理大臣は「痛ましい交通事故の被害から、未来のある子どものかけがえのない命を守るべく、政府一丸となって、対策を着実に推進してほしい」と関係閣僚に指示しました。
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 菅総理は6月に千葉県八街市で小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、児童5人が死傷した事故を受けての
関係閣僚会議を開いて,そこに出席しておりました。

 ここでも言っていることはいつもと同じで、
“痛ましい”“未来のある”“かけがえのない”“一丸となって”・・・と、内容空虚歯の浮くような“美辞麗句”が溢れています。

 これは露骨な
逃亡です。コロナの急拡大という重大問題を、厚労省任せにして国会の質疑の場に姿を見せず、それに比べれば小さな問題で、気楽責任がなく、あわよくば人気取りになるかもしれないと期待して、「通学路の安全問題」出席するとは、事の重要性を全く理解できないのか無責任なのか、いずれにしても卑劣な“逃亡”に他なりません。

 それからもう一つ、今までこのような場合に登場することが多かった、
西村大臣が今回は登場しませんが、飲食店に対する酒類販売の抑制を、卸売業者金融機関経由で徹底すると言う方針が批判を浴びた影響でしょうか。
 新型コロナ菅体制は、西村・河野・田村の3人を中核に使う体制でしたが、菅の余りの無能の前に、限界を露呈し、ボロが出て来たようです。

令和3年8月4日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ