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パラリンピックは無観客とすべき −オリンピックを無観客として、パラリンピツクを有観客とする理由は何も無い−
8月19日のNHKテレビニュースは、「“五輪開幕時より状況悪化 パラ学校観戦慎重判断を” 尾身会長」、と言うタイトルで、次の様に報じていました。
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“五輪開幕時より状況悪化 パラ学校観戦慎重判断を” 尾身会長
2021年8月19日 19時14分 NHK
東京パラリンピックでの子どもたちの観戦をめぐり、政府の分科会の尾身会長は、参議院内閣委員会で、オリンピックの開幕時と比較すると感染状況が悪化しているとして、慎重に判断すべきだという認識を示しました。
この中で政府の分科会の尾身会長は、24日に開幕する東京パラリンピックで実施されることになった、学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦をめぐり「オリンピックの開始の時期と比較すると、状況はかなり悪くなっている。観客を入れるのはどういうことかは、考えて頂ければ当然の結論になる」と述べ、観戦の実施は慎重に判断すべきだという認識を示しました。
また急激な感染拡大が続いていることに関連して「難しい状況になっているが『打つ手がない』と言った瞬間にさらに悪化する。宿泊療養施設や臨時医療施設の増設はぜひやって頂きたい」と述べ、医療施設などの増設を急ぐよう求めました。
そのうえで「国と自治体が今まで以上にリーダーシップを取る時期で、特別措置法をフルに活用して必要な対策をすべて打って頂きたい。ワクチンは非常に重要な政策の柱だが、柱は1本だけでなく2本、3本、4本必要だ」と述べました。
東京都 小池知事 子どもたちの観戦 予定通り実施
東京パラリンピックの会場で子どもたちに競技を見てもらう取り組みをめぐり、政府の分科会の尾身会長が、感染状況が悪化しているとして慎重に判断すべきだという認識を示したことについて、東京都の小池知事は、「尾身会長はオリンピックの際も同様の指摘をされていたと思うが、安全安心の大会としてオリンピックをやりきった経験を生かしてパラリンピックに臨みたい」と述べました。
そのうえで「希望する子どもたちが実際にパラリンピアンの努力や姿を見ることは、教育的な価値が高いと考えている」と述べ、予定どおり実施する考えを示しました。
そして、「皆さんにパラリンピックでいろいろと感じていただきたい。安全安心に開く大会にご協力いただきたい」と述べました。
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これに対して、翌日20日のNHKテレビニュースは、「パラリンピック 日本選手団 河合団長が学校連携観戦の意義強調」と言うタイトルで、日本選手団の河合純一団長と、マセソン副団長の発言を次の様に報じていました。
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パラリンピック 日本選手団 河合団長が学校連携観戦の意義強調
2021年8月20日 12時33分 NHK
東京パラリンピック、日本選手団の河合純一団長が20日会見し、学校連携観戦チケットによって子どもたちが大会を観戦する意義を強調するとともに、新型コロナウイルスへのリスクを抑えながら実現できないか模索するよう訴えました。
今月24日に開幕する東京パラリンピックに向けて、日本選手団は18日から選手村への入村を始め20日、河合団長とマセソン美季副団長が会見しました。
この中で、河合団長は学校連携観戦チケットにふれて、子どもたちが会場で観戦して初めて気づける魅力があることや、その体験を通じて社会が大きく変わるきっかけを作れることが選手の励みになっていることなど、その意義を強調しました。
そのうえで、新型コロナウイルスへの感染リスクが指摘されていることについては「選手たちはいろいろな難しさはあってもこの大会まで練習を積んできた。できないと決めつけるだけではなく、どうすればリスクを最小限にしながら活動できるのか一緒に考えながら答えを出して頂きたい」と訴えました。
また、マセソン副団長は「リスクを最小限に抑える方法を模索することはできると思うしこのチャンスを最大限にいかしてほしいが、今の状況では手放しに来て下さいと無責任に言うことはできず、どう判断すべきなのか私にも迷いがある」と話し、教育現場や保護者の慎重な判断に委ねるしかないという考えを示しました。
学校観戦連携チケットについて大会組織委員会は、去年1月までに68万枚の購入希望が寄せられていたものの、最終的には半分以上がキャンセルになるという見通しを今月17日に示しています。
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一体、パラリンピックの観戦は誰のための観戦なのか。障害者のために、子供達を感染の危険に晒す事を辞さないというのであろうか。オリンピック大会を無観客にして、その時よりも遙かに感染の危険が高まっている時に、観客のためで無く、出場者のために子供達を危険にさらすとは、余りに身勝手では無いか。障害者は何を言っても許されると考えているなら、それは大間違いである。
本来、スポーツとは競技する選手(アスリート)達のもので、当然無観客である。その後娯楽の一部として、見て楽しむものとして有観客競技が普及したもので、見る見ないは当然観客の自由である。それにも拘わらず、出場する競技者の為に、観客(しかも子供)に観戦を強要するがごときは論外と言うべきである。
実際パラ・スポーツは見て楽しめるものでは無い。出場者の親族など以外で、見て楽しもうという人は皆無と思われる。それを自ら観戦する・しないを判断・決定できない子供を半強制的に動員して、自分たちに有利な社会を目指そうなどと言うのは、スポーツの政治利用、子供の洗脳であり、容認できない。
パラ・スポーツ(障害者のスポーツ競技)に親族・友人以外の一般観客を期待する方が間違っていると思う。パラリンピック以外で、一般の観客がどれほど来ているのか。
さらに、パラ・スポーツ出場者の「身体障害」の程度は千差万別であり、一様ではない。言うまでも無い事であるが、競技に於いては障害の程度が少しでも軽い者が優利であり、重い者が不利である。これでは本来のスポーツ・競技観戦の楽しさは無い。
小池知事は「尾身会長はオリンピックの際も同様の指摘をされていたと思うが、安全安心の大会としてオリンピックをやりきった経験を生かしてパラリンピックに臨みたい」と言っているが、「オリンピックは無観客で実施された」からこそ、「やりきれた」のでは無いのか。その時と比較して、今の状況は比較にならないほど悪化しているのは明らかであり、小池知事の尾見会長批判は理屈に合わない。更に、オリンピック閉幕後、急激に感染拡大が加速している現状を見れば、「安全安心の大会として・・・やりきった」と言えるかも疑問である。
オリンピックの時には「無観客」であったのに、今、感染が急拡大して、医療崩壊に直面して、更に低年齢の子供の感染が急増している時に、なぜ危険を冒して子供達だけを会場に入れようとするのか。小池知事は自分に子供がいないから平気でそういうことを言うのでは無いのか。感染の危険の是非を判断出来ない子供の「希望」に関わらず、観戦は取りやめるべきである。
令和3年8月20日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ