H175
自民党は言わば敵(野党、マスコミ)に攻撃されている。そして岸田はその敵の意に沿うように、不穏な動きを募らせている

 3月23日の読賣新聞は、「安倍派4氏非公認へ 塩谷、下村、西村、世耕氏 自民処分調整」と言う見出しで、次の様に報じていました。

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安倍派4氏非公認へ 塩谷、下村、西村、世耕氏 自民処分調整
2024/03/23 05:00 読売

 自民党は、派閥の政治資金規正
法違反事件を巡り、安倍派で資金還流への対応を協議した幹部会合に出席した塩谷立下村博文・両元文部科学相、西村康稔・前経済産業相、世耕弘成・前参院幹事長の4氏に対し、「選挙における非公認」以上の重い処分を科す方向で調整に入った。岸田派では裏金作りがなかったとし、同派会長だった岸田首相(党総裁)は処分の対象としない方向だ。

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首相処分の対象外 
 複数の自民幹部が明らかにした。首相は21、22両日、党執行部のメンバーと相次いで面会し、処分の方向性について協議した。

 派閥パーティーの収入の
還流分を政治資金収支報告書に記載しなかった議員は82人確認されているが、党執行部は、安倍派幹部だった4氏が不正還流止められる立場にありながら対処しなかったことを重視。政治的、道義的責任が最も大きい判断した。不記載があった他の議員についても、どこまで処分対象にするかを含めて検討を急ぎ、4月上旬にも決定する。

 安倍派では、安倍晋三・元首相が2022年4月、会長代理だった塩谷下村両氏、事務総長だった西村氏、参院安倍派会長だった世耕氏を集め、違法な裏金作りにつながる
還流中止を指示した。だが、7月の安倍氏の死去後、4氏は8月に集まって対応を協議し、還流中止を決めなかった。

 党規律規約が定める処分は8段階だ。執行部内では、4氏に関し、「少なくとも次の選挙で公認はできない」との意見が大勢で、4番目に重い「非公認」か、さらに重い「党員資格停止」を軸に検討する。復党が困難な「除名」は除外する方針で、「離党勧告」も難しいと見る向きが多い。

 塩谷氏ら
4氏は東京地検特捜部からは不起訴とされた。立件されていない議員に処分を科すのは異例だ。

 一方、岸田派では派閥の収支報告書に不
記載があり、元会計責任者が立件されたが、派閥からの資金の流れは派閥・所属議員双方の収支報告書に記載されていた。党は安倍派と比べて悪質性が低く、首相の責任を問う事案ではないと整理した。茂木幹事長は22日、金沢市で記者団に「不記載がない議員を(処分)対象にすることはない」と述べた。

 
還流は二階派でも行われ、二階俊博・元幹事長の秘書は二階氏の収支報告書への不記載略式起訴された。党は、二階氏の処分についても慎重に判断する構えだ。
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 安倍派だけで無く、他の派閥を含む82人の“不
記載の罪”が“同罪”とすれば、なぜ安倍派幹部だけ“重罪”なのか。他派の幹部達はなぜ責任を問われないのか。

 安倍派会長の安倍元総理が、派内
還流中止を指示したにもかかわらず、会長の死後還流の中止を実行しなかったことに問題があるとしても、そもそも“還流”そのものが刑事事件として“立件”されておらず、又、党としても禁止を打ち出してはおらず、それはあくまで派内の問題に止まり、党として安倍派幹部4人にその責任を問うのは明らかに野党・マスコミの動きに便乗・迎合した“筋違い”である。

 派内
還流中止決定したにもかかわらず、それを履行しなかったことに、その責任を問うのであれば、党として還流禁止決定せず、派内の還流とその不記載見過ごして来た他の派閥幹部や党の役職者、さらには党総裁の責任も(それ以上に)追及されるべきである。

 特に岸田派の会計責任者は(
還流金の?)不記載が有り、立件されたにもかかわらず、派閥からの資金の流れが記載されていたことを以て、裏金作りが無かったとし、悪質性が低いとして処分の対象から除外するという判断は理解に苦しむ。
 安倍派
に対しては
“還流”を阻止しなかったことを問題視し、自派に於いては記載があれば“還流”問題視しないというのはダブル・スタンダードではないのか。安倍派の“還流”に厳しい対応をするのであれば、自派の“還流”にもきびしく対処すべきである。
 また4人が派内の
還流中止決定を実行しなかったことは、還流指示したこととは異なる。還流が安倍派に偏っていたとすれば、それは安倍派が資金パーティーに飛び抜けて“貢献”していたからでは無いのか。

 記事にも
「塩谷氏ら4氏は東京地検特捜部からは不起訴とされた。立件されていない議員処分を科すのは異例だ」とあるように、検察の立件は一部の“不記載、虚偽記載”に止まり、還流は対象になっておらず、しかも安倍派の4人が不起訴であることを考えれば、“還流”を理由とした今の岸田総理・自民党の党内の動きは他意のある“不穏”なものと言わざるを得ない。

 今の
“還流”の問題は、自民党内の問題に止まり、党員、寄付金をした人達を始めとした支持者達などが議論する問題であり、それを叩いている野党の言動は自民党に取っては“敵の攻撃”に他ならない。
(H168 自民党の政治資金調達過程と、実際に集金した派閥(議員)への還流(キックバック)と、資金使用の使途については違法性の指摘はなく、有るのは報告書への不記載と虚偽記載だけであり、それは“軽犯罪”に止まる)

 自民党は言わば敵(野党、マスコミ)に攻撃されている。そして、岸田はその
敵の意に沿うように、不穏な動きを募らせている。

令和6年3月24日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ