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国民民主党の玉木代表の“103万円の壁”の高さを178万円に高くする主張と、財務省の意図的な怠慢 -壁の高さは定期的に見直しが必要-
「103万円の壁」をめぐる昨年の議論では、パートタイムや準専業主婦を保護する「壁」の高さを変える(高くする)とか、税制に付きものの各種の壁(控除額)の一つである所得税の控除額の高低をめぐる当然の議論は一切なく、あたかも「壁」の高さを変える(高くする)ことは不可能であるかのようでした。
彼ら・彼女らは「壁」問題をチャンスとばかりにそれに便乗して、「壁」のもとでの生き方(専業、準専業主婦)を選んできた人達の、「生き方」を奪うことばかりが主張されていました。すなわちパートタイム、「準専業主婦」を止めて、正規の共働きになれという事でした。
そして今明らかになって来たことは、その陰には税の減収を何よりも嫌う、財務省の大きな影があったということです。
1995年に制定された“103万円の壁”が、29年を経過して“低すぎる”として高さが変更されるのは当然の事で、むしろ遅すぎたのが問題なのです。
批判されるべきは“財務省”なのですが、今なお税収が減ると言って抵抗している財務省は怠慢として“処罰”の対象と言って良いレベルです。
今回の玉木代表の主張が大きく拡がったことにより、初めて「壁」を巡るまっとうな議論が展開されました。さぞかし昨年「壁」便乗の“専業主婦撲滅”を主張していた人達(“官”とその他の活動家)に取っては、予想外の展開でしょう。
昨年の彼ら、彼女らの“壁”対策は、壁の対象者達が望んでいない主張だったのです。彼ら、彼女らの主張は、壁の高さの引き上げを望んでいた専業主婦達への迫害以外の何物でもなかったのです。
今、厚労省の“官”達は玉木代表の主張する「103万円」対策に対抗するべく、各種の“給付金”を中心とする“壁”対策を主張している様ですが、各種の給付金は税制の正当(公平)性に反する、“小銭のバラ撒き”に過ぎません。
高額な税金を官によって“搾取”され、その中のほんの一部を「給付金」として“下賜”されて誤魔化される現状は、民主政治に反するもので受け入れるべきではありません。
また一部では壁の引き上げは「高額所得者に利益が大きい」とか言って反対論が出ていますが、減税が課税対象外の人達に何の恩恵もない事は当たり前のことです。
今の各界の議論の展開を見ると、もはや“マス”は“官”に完全に取り込まれていると言って良い現状が読み取れます。
(参考) I130 年収の壁”を口実に「準専業主婦」をだまし、全員を「共働き」に移行するというのが、このややこしい変更の狙い