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警察の重武装は税金の無駄遣い

 9月29日の読売新聞は、「警察に自動小銃配備」、「テロ対策で1000丁」という見出しで、次のように報じていました。

 「警察庁は・・・今年中にも最新式の自動小銃約1,000丁を導入し、年度内には重要施設に部隊を配備する見込み。米国の同時テロをきっかけにした自衛隊法改正を巡る議論では、自衛隊が、これら重要施設を警備出来るようにすべきとする声があがっていたが、警察庁は、火カや装備を引き上げることで、現状の警察力では本格的な武装テロに対応できないとする政府・与党内の懸念にこたえたい考えだ」

 つい先日、警察庁は自衛隊が皇居や首相官邸などの重要施設を警備するという自衛隊法の改正について反対していましたが、今回、自動小銃1,000丁を新たに装備すると言い出したのは、現状では警察は警備の任に耐えないと認めたのと同じだと思います。それでは、なぜ自衛隊の協力を拒んだのでしょうか。自衛隊には十分な武器があるのに、なぜこの上警察が重武装しなければならないのでしょうか。警察が独自に武装を強化することは、武器購入の費用だけでなく、人員や訓練などのうえでも余計な費用がかかります。何年に一度あるかないかの事態に備えて、重複して武装することは無駄なことだと思います。警察はそんなことよりも泥棒と強盗を捕まえることに力を注ぐべきです。

 以前、海上自衛隊と海上保安庁の役割を巡っても同じような無駄遣いがありました。1992年、核燃料のプルトニウムをフランスから日本へ海上輸送するに当たり、護衛が必要と言うことになりましたが、海上自衛隊が護衛することは海外派兵になると言う屁理屈で、海上保安庁が護衛することになりました。海上保安庁はそのために、200億円をかけて1万トン級の巡視船「しきしま」を新造しました。しかし、本来海上保安庁にはこのような大型巡視船は必要ありません。その後の使い道がありません。全くの無駄遣いだったと思います。それに、海上自衛隊の艦船が護衛することが海外派兵になるのなら、海上保安庁の武装した艦船が護衛するのだって海外派兵になると思います。海上保安庁がよくて、海上自衛隊はいけないと言う理由がありません。

 度々このような無駄が起きるのは、自衛隊を表舞台に出したくないと考えている人達がいるからだと思います。自衛隊を違憲と主張してきた人達は、自衛隊が必要であるという現実と、非武装中立論が破綻したことを認めたくないのです。

平成13年9月29日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ