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厳しさに欠ける県警本部長
 

 神戸で大学院生が暴力団員の暴行を受けて殺害された事件に関して、3月19日の産経新聞は次のように報じていました。

 「兵庫県警の岡田薫本部長は19日、県議会予算特別委員会で『現場での執行力の弱さと事案の判断力の弱さが露呈した』と述べ、初動捜査の甘さを認めた」

 本部長は「弱さ」と言っていますが、「弱さ」とは一体なんでしょう。警察の対応に不手際があったのか、怠慢があったのかを明らかにし、その責任を誰が負い、再発を防ぐために何をするかを明らかにしなければならないはずです。それを「弱さ」があったとは一体何を考えているのでしょうか。

 小学生の「成績通知票」の話ではないのです。警察官個人あるいは警察組織の欠陥を「弱さ」などと言ってすまされる問題ではありません。小学生の成績通知票は、生徒本人の成長を第一に考えるべきですが、警察官の労務管理は警察官本人の為よりも、国民のために有為な警察力を維持するという観点から考えなければならない問題です。こんな甘い認識で適正な労務管理が出来るのでしょうか

 本部長がこのような甘い認識しか表明できないのは公務員の組織が弛緩しきっているのと、彼がキャリアの警察官僚で警察官としての能力も実績もないからだと思います。だから現場の警察官に厳しいことは言えないのだと思います。

平成14年3月24日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ