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官僚の罪を隠蔽するシャッポ(帽子)切り

 武部農水相の続投が決まりました。小泉首相の公明党に対する明快で、断固とした姿勢には好感が持てます。

 武部農水相が今回の狂牛病の問題で、良くやっているとは思いませんが、問題の根本は欧州で狂牛病が発生した後、肉骨粉を使用禁止しなかった点にあると思います。この点については武部農水相には何の責任もありません。主たる責任は官僚にあると思います。

 農水省に限らず、各省庁で大臣がどの程度最高権力者として権限を行使できているかと言う点を考えると、役所の不祥事で大臣が監督責任をとると言うのは、権限のないものに責任だけとらせると言う、極めて理不尽なことではないかと思います。
 学校で事故や事件が起きると、実質的な権限のない校長に詰め腹を切らせるのと同じです。校長に詰め腹を切らせて、真に責任を負うべき教師達は厳しい処罰を免れています。
 不祥事件がおきるたびに、大臣(政治家)に責任をとらせ、官僚が自らの保身を図るのは、トカゲのシッポ切りならぬ、官僚のシャッポ(帽子)切りと言えます。
 公明党や野党の武部農水相辞任要求は、結果的には官僚の罪を隠蔽するものです。

 外務省では鈴木問題で、東郷大使ら34人の処分にあわせて、川口外相自身が給与の20%返上を決めましたが、就任したばかりで鈴木問題には何のかかわりもない川口外相が、なぜ給与を返上するのでしょうか。このような行為は潔いと言うよりも、責任の所在をあいまいにし、官僚をつけ上がらせるだけだと思います。

平成14年4月3日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ