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天下りだけが楽しみな日銀の若手行員

 10月10日の産経新聞は、「若手日銀マン次々と退職」、「天下り困難など背景」と言う見出しで、次のように報じていました。

 
「日銀の総合職で在職5年から10年の若手行員が次々に辞めている。・・・関係者によると、12年度は27人の新規採用に対して退職者が19人、13年度は28人に対して14人辞めた。14年度も32人の採用に対してすでに十数人が辞めている。大半が二十代後半から三十代前半の若手行員だ。不良債権や金融機関との接待汚職事件を背景にかつては当たり前だった日銀職員の金融機関への天下りが難しくなっているためだ」

 日本経済が深刻なデフレの脅威にさらされている中で、日銀の職員としてやるべき事は多いと思いますが、そうした中で、天下りが困難になったことを理由に若手職員が次々とやめていくというのは信じられないことです。彼らは一体何のために日銀に来たのでしょうか。
 そういう人物は元もと日銀の職員としてふさわしくない人たちであったと言うべきです。職員としてふさわしくない人物を、毎年大量に採用し続けて来た日銀の職員採用制度、採用基準には重大な欠陥があったというほかありません。採用を担当した理事らは責任を追及されてしかるべきであると思います。

 彼らは天下りをすることだけを楽しみにして日銀に就職したようですが、民間の金融機関に行きたいのであれば、何も日銀に来る必要はありません。なぜ直接民間の金融機関に就職しなかったのでしょうか。おそらく、労せずして高い地位につくことが出来ると考えてのことだと思います。このような人物が民間金融機関にとって好ましいはずがなく、経営が厳しさを増すに従って受け入れ先がなくなったものと思います。

 このような人物は日銀にとっても好ましくない人物です。そういう人物が経済官庁の中枢にいてまともな経済運営が出来るはずがないと思います。

平成14年10月14日     ご意見・ご感想は こちらへ     トップへ戻る     
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