H55
公務員は気楽な稼業

 12月18日の産経新聞は、兵庫県明石市の歩道橋事故の判決について、「県警幹部困惑「『現場にプレッシャー』」という見出しで、次のように報じていました。
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 兵庫県明石市の歩道橋事故で、雑踏警備の警察官が初めて実刑判決を受けたことについて、警察庁幹部は「重く受け止めている」とする一方、兵庫県警幹部は「現場にプレッシャーになる」と困惑を隠せない。・・・

 ある幹部は「警備計画をつくった主催者の責任が軽く、市が雇った警備会社と管轄の警察が重いのであれば現場の警察官にプレッシャーがかかりイベントの趣向を無視しても過剰警備を強いることにもなる」と話した。
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 どんな仕事でも、仕事にプレッシャー、緊張感はつきものです。たとえば三菱自動車工業が欠陥車による事故で刑事責任を問われれば、現場の技術者には相当なプレッシャーがかかると思います。しかし、彼らに、「このような事故で刑事責任を問われれば、現場にプレッシャーがかかり、必要以上に安全性を重く見て、高価で重鈍な車作りに走りかねない」という言い訳ができるはずがありません。

 同じように、警察は主権者である国民、イベント見物者の楽しみを損なうことなく安全を確保する義務があります。安全と快適の二者を両立させる義務があります。どちらかを犠牲にしていいと言うことはありません。どちらかを犠牲にせざるを得ないという安易な発想は、無能な人間かやる気のない人間のすることです。

 三菱自動車工業の技術者がそういう安易な発想をしていれば、ライバル社に市場を奪われるだけでしょう。公務員がこのような言い訳を平然とするのは、彼らが、独占にあぐらをかいて気楽な毎日を送っている怠け者であるからにすぎないと思います。

平成16年12月18日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ