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水道料金値上げ問題に見る、公務員の無能・怠慢と、それに共感しているNHK


 2月20日、NHKはテレビのニュースで「水道料金値上げ相次ぐ 平均価格も20年で過去最高」と言うタイトルで、次のように報じていました。
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NHK ニュース詳細
水道料金値上げ相次ぐ 平均価格も20年で過去最高
2月20日 19時01分

水道料金値上げ相次ぐ 平均価格も20年で過去最高



 人口減少による収入の落ち込みなどにより、水道料金を値上げする自治体が相次ぎ、全国の家庭用の平均価格は去年4月時点で、月額およそ3200円と、この20年間で最も高くなったことが日本水道協会の調査で分かりました。専門家は今後、値上げを抑えて経営基盤を強化するには、市町村の枠を超えて広域的な事業を行うことや、長期的な財政計画を立てることを進めるべきだと指摘しています。

 全国の自治体などで作る日本水道協会によりますと、全国の水道料金の平均価格は、1か月に20立方メートルを使う平均的な家庭の場合、去年4月時点で月額3202円と、この20年で最も高くなりました。

 その後も各地で値上げが相次ぎ、北海道美唄市では去年10月から家庭用や事業用など30%値上げしたほか、ことし4月からは千葉県君津市で平均16%、静岡県富士市で平均31%値上げすることが決まっています。

 相次ぐ値上げの背景には、
人口減少による料金収入の落ち込みや、老朽化に伴って水道設備を更新する費用がかさむなど、水道事業の経営環境が厳しくなっていることがあります。

 これを受けて厚生労働省の検討会は先月、経営基盤を強化するため市町村の枠を超えて広域で事業を進め、都道府県も主な経営主体として位置づけるべきだと提言する報告書をまとめました。

 広域での経営を目指す動きは各地で出ていて、香川県は県内16の市と町が行っている水道事業を1つに統合し、平成30年度から広域で事業を開始する計画を進めています。
水道事業に詳しい関西学院大学の長峯純一教授は、「今後、各地の自治体は香川県のように市町村の枠を超えて全県的に事業を行うことや、現状の設備を維持できるのか長期的な計画を立てることなどを進めるべきだ」と指摘しています。
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 NHKは水道が値上げをする原因は、「
人口減少による料金収入の落ち込みや、老朽化に伴って水道設備を更新する費用がかさむなど、水道事業の経営環境が厳しくなっていること」であるとしていますが、本当でしょうか。

 人口減少は日本国全体について言えることで、その影響による需要の減少は
水道事業だけでなく、電気・ガスなどの他の、いわゆる「公共料金」全体について言えることであり、更に言えば公共料金に限った話ではなく、ほとんどすべての民間企業の商品・サービスにも当てはまります。

 また、「老朽化に伴って設備を更新する必要がある」と言うのも、水道事業に限った話ではありません。電気・ガス事業はもちろん、
すべての生産設備には必ず耐用年数があり、耐用年数が過ぎたら更新の必要があります。

 NHKの報道が正しいとすれば、水道料金以外のすべての「公共料金」、民間の商品やサービスも、これから同じように値上げされていくことになりますが、今のところそういう話は聞きません。電気料金は原発停止の影響で値上げが続きましたが、今後は、異業種からの新規参入により若干値下げが見込まれています。

 水道事業だけ特別であるという理由は全くありません。強いて特別な点があると言えば、それは
水道事業だけが「官営であると言うことです。
 民間企業は
需要予測、減価償却などの経営判断を的確かつ適切に行って、価格の変動を抑制できているのに、公務員だけが基本的な経営判断をすることができず、大幅な値上げを招いているというのが実態だと思います。

 NHKの報道は核心を外れています。一般の消費者(視聴者)の視点に立っていません。役所の団体である「日本水道協会」とか、厚生労働省などの役所の取材だけで極めて安易な報道をしています。これはNHK自身が持つ“公務員体質”が原因だと思います。

平成28年2月20日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ